レビュー記事

【ジェスチャー】360°回転アームだけじゃない!すべての魅力を徹底レビュー

「アームレストって、いつも微妙に合わないんだよな…」
そんなモヤモヤ、抱えていませんか?

左右幅が広すぎてひじが落ちる。動かしても“ちょうどいい位置”に来ない。
多機能だけどガタガタして安っぽい…。

そんなオフィスチェアのアームレストに不満を感じたことがある人にこそ、座ってほしい椅子があります。

それが、360°回転アームの【ジェスチャー(Gesture)】

でも、このチェアのすごさは“360°回転アーム”だけではありません。

姿勢が自然と整う座り心地、重心移動で調節できる直感的なリクライニング、そして静かな操作音。

実際に座りこんで試したからこそ分かった本当の魅力はもちろん、ちょっと気になる点を含めて徹底レビューします。

記事を読めば、ジェスチャーがどんな悩みをどう解決してくれるのか、どんな人にマッチしているのかが分かります。

結論から言えば、「ひじがちゃんと置けるオフィスチェア」に出会ったことがない人は、ジェスチャーを一度試す価値ありです。

スチールケース ジェスチャーとは

ジェスチャーの外観
スチールケース(Steelcase)のジェスチャー(Gesture)

ジェスチャーは世界最大のオフィス家具メーカーであるスチールケースから2014年に販売開始されたオフィスチェアです。

以前レビューしたリープ V2と同じメーカーであり、その特徴の一つであった柔軟な背もたれは、3Dライブバック(3D LiveBack)テクノロジーとしてジェスチャーにも採用されています。

簡単にジェスチャーの特徴をまとめると、調節範囲の広いアームレスト、重心移動で角度調節できるリクライニング、静音性の高い各種調節機能、姿勢維持しやすい硬めの座り心地をもつ高級オフィスチェアとなります。

ジェスチャーには様々なバリエーションが存在していますが、現状公式サイトで購入できるものは限られています。

他には日本の販売店を経由すると、公式サイトにはないバリエーションを選択することができます。ただ公式サイトとは価格と保証が異なるため注意が必要です。

公式サイトでは2025年6月6日時点で¥184,980(税込)~の価格帯となっています。

ジェスチャーの良い点、気になる点

私がジェスチャーを実際に毎日8時間以上座った中で感じた特に良い点は5つ、気になる点は3つありました。

以降に詳しくお話ししますが、先に気になるところがあれば、上のリンクから飛べます。

良い点

「ここに来てほしい!」を叶える最狭アームレスト

調節範囲の広いジェスチャーのアームレスト
最狭アームレスト

ジェスチャーのアームレストは根元から左右に角度を変更できるため、左右幅の調整度合いが格段に大きいです。特に左右幅を狭くしたい方はぴったりで、これは今までレビューした中で最も狭くできた初代エルゴヒューマンよりもさらに狭くできます。

(詳しい数字は各部詳細の最狭アームレストをご覧ください。)

初代エルゴヒューマンではアームパッドを60°内側に回転させることで狭くしていました。しかし、この角度はタイピングの自然な腕の角度とは差があり、結果的に腕の一部しか載せることができませんでした。

一方ジェスチャーではアームレストの左右間距離自体を狭くできるため、アームパッドの角度は腕の角度に沿った自然なもの(40°)になります。おかげで腕全体をしっかりアームパッドに乗せることができるため、自然なタイピング姿勢をとることが可能です。

ジェスチャーと初代エルゴヒューマンのアームパッド角度比較
最も狭くした状態のアームレスト角度の比較(ジェスチャー vs 初代エルゴヒューマン)

アームパッドの前方は机の前縁にフィットする形状になっており、しっかり考えられています。

机の縁にフィットするジェスチャーのアームパッド形状
机の縁にフィットするアームパッド形状

角度固定いらず!重心移動だけで姿勢変更できるリクライニング

ジェスチャーのリクライニングは独特の粘りがあるタイプです。体の重心移動だけで背もたれ角度を変更し、多少の姿勢変更ならロックせずともその状態を維持することができます。

他のオフィスチェアのように、常に背もたれから押されているように感じることもありません。

作業からストレッチ、そして作業に戻るといったよくある一連の動作で、重心移動以外の操作が不要。これは余計な操作で集中力を途切れさせないという大きなメリットになります。

ジェスチャーの作業の様子

サポートと自由を両立した背もたれ

ジェスチャーの背もたれは上に行くほど細くなる形状で、特に最上部では幅が370mmとスリムです(最大幅でも413mm)。

おかげで、ストレッチ時に肩を回しやすく、両手を上にあげて上半身を反らすストレッチも、柔軟な背もたれが体に沿って支えてくれるため、気持ちよく気分転換できます。

ストレッチしやすいジェスチャーの背もたれ

気が緩まない、“姿勢が整う”座り心地

ジェスチャーの作業姿勢
ジェスチャーの作業姿勢

ジェスチャーの座面と背もたれは少し硬めの座り心地です。この硬さは作業中の姿勢を保つのにちょうどよく、背筋を伸ばした状態で気持ちよく作業できます。

もちろん体のどこかが痛くなるようなものではなく、身が引きしまる感触で心地よい緊張感が得られます。

これまでレビューしたクッション座面を硬い順に並べると、

ジェスチャー > リープ V2 > コンテッサ セコンダ

となりますが、どれも硬すぎたり柔らかすぎると感じるものはありませんでした。

気配を感じさせない静音性

ジェスチャーはとても静音性の高いオフィスチェアです。多機能なものほど操作音やガタツキが大きい傾向があるのですが、ジェスチャーはすべての調節音が小さく、ガタつきもほとんど感じませんでした。

アームレストは使用時にしっかり止まっていて、安心感があります。リクライニングもスムーズで静かです。座面奥行き調節は座ったままダイヤルを回すだけで調節できるため、これも静かです。

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ジェスチャーの操作音

気になる点

一定の条件下で最後まで戻らないリクライニング

ジェスチャーの背もたれは、リクライニング範囲を最小にしても約7.3°(計測値)傾きます。リクライニング反発力を弱く調節している場合、この傾きは椅子に座っている状態だと完全に元の位置に戻らないことがあります。

私がレビューした個体では最弱から約1回転以下だと少し傾いた状態で止まり、完全に元の位置には戻りませんでした。

この状態でリクライニング反発力を調節しようとするとかなり重くなります。これを解消するには手で背もたれを元の位置に戻すか、いったん腰を上げる必要があります。この時は少し音がします。

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背もたれが元の位置に戻るとき・戻らないとき

個体差のある事象と思いますが、もし皆さんが使われる際に調節が重いと感じた場合は、上記を試してみてください。

リクライニング反発力の調節ダイヤルを最弱から1回転以上回した位置に設定したときは、背もたれも戻りが中途半端になることはありませんでした。

ちなみに他のオフィスチェアでも、背もたれが倒れている状態では反発力の調節が重くなるものがあります。そのような場合は背もたれの傾きを初期状態に戻して調節することをおすすめします。

調節が重い状態で無理やり調節すると、椅子によっては故障の原因になることがあります。

少し硬いアームパッド

ジェスチャーのアームパッドのクッションは、これまでレビューした中でもかなり薄くて硬めの感触です。アームパッドにひじを立てて読書やスマホ操作をする場合は、長時間になるとひじに負担を感じます。

ただタイピングでの使用は、長時間でもひじが痛くなるようなことはありませんでした。

ジェスチャーのアームパッドの柔らかさ

アームレストの調節範囲の限界

アームレストの調節範囲をほめちぎっておいてなんですが、少しだけ気になる点があります。

確かに私の体格にはこの上なく丁度いい位置に調節できる素晴らしいギミックなのですが、実は調節範囲ギリギリでのお話です。

私以上に細身であったり、アームレストの位置に苦労している人にとっては、「あともう少しだけ調節範囲に余裕があればいいのに」と感じられるかもしれません。

具体的には、高さとアームレスト根元の調整角度(水平面内)です。個人的な感覚ではもう少し高く(あと20mm)、もう少し内側に(あと5°)寄れば、さらに多くのアームレスト難民を救うことができると思います。

ジェスチャーに向いている人、向いていない人

向いている人

もっと内側に寄るアームレストが欲しいと感じていた人

気になる点で調節範囲の限界についてお話ししましたが、それでもアームレストを使ってタイピングする人で、これまでずっとアームレストの位置がしっくりこなかった人や肩幅が狭めか細身の人は、ぜひこのアームレストを体験してみてほしいです。

良い点でも解説した通り、ジェスチャーのアームレストはとにかく内側に寄るため、心地よいタイピング姿勢が取れます。私が今までレビューした中でも圧倒的です。この快適さは、今までアームレストを使用してこなかった人にもおすすめできるほどです。

参考までに、これまで最もタイピングしやすかったアームレストのエルゴヒューマンとジェスチャーのタイピング姿勢を比較してみました。

タイピング姿勢の比較(ジェスチャー vs エルゴヒューマン)
タイピング姿勢の比較(ジェスチャー vs エルゴヒューマン)

アームレストを使用すると机を広く使うことができます。これは机に腕を乗せる必要が無くなるため、キーボードを机の端まで寄せることができ、その分空いたスペースを有効活用できるからです。

また体が机から少し離れることでディスプレイと距離をとることができ、目にも優しい環境になる点も見逃せません。日頃から机の狭さを不満に思っている人は、ぜひ一度試してみてください。

ジェスチャーのアームレストを活用すつことでできるメリット
アームレストの活用によるメリット

リラックスよりも作業重視の使い方をしたい人

ジェスチャーのシートは心地よい硬さが身を引き締め、座った瞬間のやる気を向上させてくれる感触があります。

リラックスを感じるよりも、心地よく作業に入る姿勢を促す効果があるように感じました。

ジェスチャーのPC作業と筆記作業時の姿勢
ジェスチャーのPC&筆記作業姿勢

もちろん、背もたれ高さが十分高いため、背もたれを倒してリラックスにも使えますが、どちらかというと作業寄りのオフィスチェアである印象を強く持ちました。

しっかり作業に集中できる椅子が欲しくて、多少はリラックスにも使いたい」という人のニーズを満たすことができるオフィスチェアです。

座ったまま肩を回したり、ストレッチしたりしたい人

ジェスチャーでのストレッチの様子

良い点でもお話しした通り、ジェスチャーの背もたれにはストレッチしやすい形状と柔軟性があります。

どんなにいいオフィスチェアでもストレッチは必須。座ったまま、まめに体をほぐしたい人には地味に刺さるメリットです。

スリムでコンパクトなオフィスチェアが欲しい人

ジェスチャーの背もたれは、あまり幅を感じさせないすっきりした形状になっています。

アームレストは根元から内側に寄せられるため、調節次第でかなり印象が変わります。

ジェスチャーのアームレストの調節による印象の違い
アームレストの調節による印象の違い

実際、ジェスチャーの背もたれの最大幅は413mmで、これまでレビューしたハイスペックチェア(エルゴヒューマン、アーロンチェア、コンテッサセコンダ、リープ V2)と比べて最もスリムです。

エルゴヒューマン、ジェスチャー、コンテッサ セコンダ、リープ V2、アーロンチェア リマスタード(サイズB)との背もたれ幅の比較
各オフィスチェアの背もたれ最大幅比較

ヘッドレストが無い状態なら他のオフィスチェアと比べても圧迫感が控えめで、わりとどんな部屋にも合わせやすいデザインです。

ヘッドレスト付きだと高さがでるため、存在感が大きくなります。

筆記作業からPC作業までマルチに使いたい人

ジェスチャーは前傾チルトするわけではありませんが、筆記作業に大切な背もたれの腰のサポートがしっかりしています。

座面前縁が柔軟に太もも裏の圧力を逃がしてくれるため、前のめりの作業にも十分耐えられる作りです。

ジェスチャーの筆記姿勢の特徴
ジェスチャーの筆記姿勢の特徴

ただ、背もたれが前傾する椅子のように背中をガイドしてくれるわけではないため、筆記作業中はご自身で姿勢をコントロールする必要があります。

筆記面に傾斜台などを使うと、背もたれにもたれた状態で作業しやすくなるので、おすすめです。

背もたれにもたれながら筆記できる傾斜台を使ったジェスチャーの筆記姿勢
背もたれに体を預けて筆記できる傾斜台

一方で体を背もたれに預ける後傾姿勢は、背もたれが高いデザインのため上半身をしっかり支えることができ、ヘッドレスト無しで問題なく使えます。

ヘッドレストを付ければ完全に体を預けて休憩することが可能。ヘッドレストの調節範囲はかなり広いため、多くの姿勢に対応することもできます。

ジェスチャーでのPC作業姿勢
ジェスチャーでの後傾姿勢

総合すると、筆記にもPC作業にも完璧に対応できるマルチタスクオフィスチェアとして、とても魅力的です。

作業特化のアーロンチェア リマスタードや万能タイプのコンテッサ セコンダと比較すると、ちょうどその間のオフィスチェアというのがぴったりはまります。

ジェスチャーとアーロンチェア、コンテッサとの作業姿勢の比較
ジェスチャーとアーロンチェア、コンテッサとの作業姿勢の比較

向いていない人

アームレストをあまり使わない人

このオフィスチェアの最大の特徴がアームレストのため、普段アームレストを使用しない方は少しもったいない気がします。

もちろん、身を引き締めてくれる硬めのシートや、重心移動だけで操作できるリクライニングは大きな魅力ですが、それだけなら他にも魅力的な候補をより低価格で見つけることができるかもしれません。

(ちなみに、法人向けですがアームレストの無いタイプの販売もあるようです。)

ジェスチャーのアームレストを使わない作業姿勢
ジェスチャーのアームレストを使わない作業姿勢

このオフィスチェアに魅力を感じたなら、ぜひこの機会にアームレストを活用する作業を体験していただければと思います。

姿勢を崩して使いたい人

ジェスチャーでのあぐら
ジェスチャーでのあぐら

椅子の座り心地が少し硬めのため、姿勢を崩して座るには少し相性が悪く感じられます。

あぐらをかいたり片膝を立てたりは、全く問題なくできます。

ただ腰椎付近のサポートがしっかりしているせいか姿勢を正したい気持ちになってしまい、少し居心地が悪く感じられました。

また少し浅く座って背もたれにもたれるような座り方は、かなり腰に負担がかかります。この点はアーロンチェア リマスタードとよく似ています。

どちらかというと「常に姿勢正しく座りたい」と思っている人にピッタリのオフィスチェアです。

リラックスメインで使いたい人

ジェスチャーは椅子の座り心地としては申し分ないほどの良い座り心地ですが、座ってホッとリラックスするような安心感を得られる感触にはなっていないように私は感じました。むしろ体がシャキッとします。

体を休めるような目的がある場合は、同じ万能型のオフィスチェアでも、もう少しリラックス寄りのコンテッサ セコンダと座り比べてみることをおすすめします。

逆にこの少し硬めの感触がリラックスにも心地良いと感じる方は、ヘッドレスト付きのタイプを選ぶとよりくつろげる仕様になるはずです。

ジェスチャーの購入方法

ここではジェスチャーの購入方法を下記の3つについてお話しします。

試座のポイント

サイズ確認などの基本的な試座の仕方は、以前お話しした試座の記事を参考にしてください。

【絶対後悔したくない!】デスクチェア試座を失敗しない方法|7つのステップで解説この記事では絶対に失敗しない試座のやり方をどこよりも詳しく解説します。この記事を読むと試座のやり方はもちろん、事前の準備から当日の持ち物や服装まで細かくわかります。また試座で失敗しやすい点も事細かにフォローします。記事の最後には試座専用のチェックリストも用意しておきましたので、ぜひご活用ください。...

ここではジェスチャーならではのポイントについて3つお話しします。

  • 座り心地の確認
  • アームレスト位置の確認
  • 重心移動によるリクライニング角度調節の確認

座り心地の確認

すでにお話しした通りジェスチャーの座り心地はやや硬めです。これがご自身の使用用途に合うかよく確認してください。

座面の角度もかなり水平に近いため、上半身をしっかり背もたれに預けた際にお尻が前滑りしないかチェックしましょう。

もう少しリラックスしたかったり、柔らかい座り心地を望まれる場合は、別のオフィスチェアも試してみましょう。

アームレストの位置確認

ジェスチャー最大の特徴であるアームレストが、ご自身の使用する用途にフィットするか確認しましょう。

調節範囲は広いですが、全ての体形の人にピッタリくるわけではありません。アームレストに腕を乗せて、肩からその重さがしっかり軽減できているか確かめましょう。

chairman

現状、ジェスチャーよりもアームレストの左右幅を狭くできるオフィスチェアはあまりありませんが、座面に対する高さをより高くできるものは結構あります。

またジェスチャーのアームパッドは硬めのため、使用の際に痛くならないかの確認も重要です。

重心移動によるリクライニング角度の調節確認

ジェスチャーはリクライニングの反発力を適切に調節すると、重心移動だけで背もたれ角度を変更し、かつその状態を保持して作業を継続することができます(詳しくはこちら)。その機能がご自身の使い方に合っているか試しましょう。

もしちょっと違うと感じた場合は、コンテッサ セコンダエルゴヒューマンのような椅子も試してみると全く別の感触を実感できます。

購入店の決め方

新品でジェスチャーを購入する場合、大きく分けて公式サイト他の販売店のどちらかになります。

公式サイトは価格が安価ですが、ヘッドレスト以外ほとんどオプションを選択することができません。また万が一の修理なども直接メーカーと行うことになります。

一方、公式以外の販売店では価格がやや高めになりますが、公式には無いカラーバリエーションやオプションを選択することができます。また修理の際も販売店が間に入ってくれるところもあります。ただ、保証期間に関しては公式サイト以下になることがあります。

購入前にしっかり確認して検討することをおすすめします。

中古品について

ジェスチャーの中古品は、割と状態の良いものでも新古品でなければ半額程度で探せるようです。ジェスチャーの耐久性とコスパを考えると、良い品を見極められるなら十分検討する価値はあると思います。

ただ、せっかくのスチールケースの長期保証が無意味になってしまうため、個人的にはあまりおすすめしません。

中古品で購入するなら、現物を確認&試座し、納得したうえで購入しましょう。できれば店舗で保証を付けてくれるお店がベストです。

ジェスチャーの各部詳細

ここからはジェスチャーの各部について詳細にお話しします。公式サイトには記載されていない点についても触れていきますので、参考にしていただけると嬉しいです。

価格とバリエーション

公式サイトでのバリエーション(2025年6月6日時点)をご紹介します。最新情報は公式サイトをご確認ください。

公式サイトでは、9種類のバリエーションがあります。

うち1種類は張地がレザー(革)で背もたれがシェルバック(背もたれ樹脂がむき出し)で、249,980円になります。

残り8種類は張地がファブリック(布)で背もたれがラップバック(背もたれ樹脂の上部がファブリックで包まれている)の色と布地の種類の違いで、184,980円になります。

ヘッドレストを追加するとレザーは50,000円、それ以外は55,000円追加となります。

サイトの写真を見る限り、ヘッドレストを有りにすると背もたれの背面樹脂の色が変更になるものがあるのでよく確認し、必要があれば公式サイトに問い合わせましょう。

公式以外の販売サイトだと、公式とは違うバリエーションを選ぶことができます。例えばカラーバリエーションは公式とはかなり異なります。またファブリックでもシェルバックを選ぶことができます。

価格と欲しいバリエーションをよく検討して購入することをおすすめします。

座面

座面高さ

ジェスチャーの座面高さ(計測値)
ジェスチャーの座面高さ(計測値)

座面高さ調節範囲:435~565mm(調節幅130mm)(座面幅中央部最高位置で計測)
公式サイト 407~534 mm(調節幅127mm)

上記のとおり計測値と公式にかなり差があります。公式サイトはおそらく座面の奥(座骨が当たる位置)での計測と推測しています。

適切な座面高さを身長の1/4と比較する場合は、公式サイトの値を使用してください。

座面奥行きと角度

座面奥行き
ジェスチャーの座面奥行き(計測値)
ジェスチャーの座面奥行き(計測値)

座面奥行き調節幅:63mm(計測値)
背もたれからの座面奥行き:415~478mm(計測値)

背もたれからの座面奥行きは、左右幅における中央の最も突出した部分(腰椎付近)から座面前縁までを計測した距離です。

座面角度
ジェスチャーの座面角度
ジェスチャーの座面角度

座面角度:前上がり2°(計測値)
(公式サイトでは1°)
座面角度は水平に対する角度です。公式サイトの差は誤差とお考え下さい。

座面の座り心地

座面の座り心地は若干硬く感じますが、心地よい硬さです。形状は、写真では確認できませんがお尻と太ももの形がうっすらと成型されているようです(下の写真の点線参照)。触るとわかります。

ジェスチャーの座面のフィット形状
ジェスチャーの座面のフィット形状

ジェスチャーの座面は、座った際に座面前縁部が少し下に曲がって太もも裏の圧迫感を軽減するパッシブシートエッジという機能が備わっています。

おかげでお尻から太もも裏まで圧力の偏りを感じにくく、全体で密着する感じです。

ジェスチャーのパッシブシートエッジが機能する様子
ジェスチャーのパッシブシートエッジ

私の場合、後傾姿勢で長時間座り続けているとわずかに腰が前に滑ってくるように感じましたが、少し座面奥行きを広めに調整すると安定しました。

また服と座面張地の相性もあるようで、ズボンを変えると滑りを感じなくなりました。

背もたれ

背もたれの形状

シェルバックとラップバック

ジェスチャーの背もたれ形状は2つの種類があります。

1つはシェルバックといって、背面の背もたれの樹脂がそのままむき出しになっているもので、上端の角が少し丸くなっています。

もう1つがラップバックといい背もたれの背面の上部をクロスが覆っているタイプです。上端の角が少し角ばっています。

シェルバックとラップバックが選択できる販売店では、シェルバックのほうが少し低価格に設定されています。

高さと幅

背もたれ高さは身長173cmの私が座ると肩より少し下にあり、後傾姿勢をとるのに十分な高さがあります。

幅は計測値では最大433mm(公式サイトでは413mm)で他のオフィスチェアと比べてもスリムです。

特にジェスチャーは腰部よりも上部が狭くなっている(380mm)ため、背もたれに邪魔されず肩を回しやすい形状です。

各オフィスチェア(ジェスチャー、リープV2、エルゴヒューマンプロ2オットマン、コンテッサセコンダ、アーロンチェアリマスタード、エルゴヒューマンプロオットマン)の背もたれの大きさ比較
各オフィスチェアの背もたれの大きさ比較

※アーロンチェアの(B)はBサイズを意味します。
※エルゴヒューマンは背もたれの高さを調節できるため、最高と最低を載せています。

カーブ
ジェスチャーの背もたれのカーブ(幅方向)
ジェスチャーの背もたれのカーブ(幅方向)

幅方向の包み込むカーブは腰回りに近づくにつれしっかりカーブしてきます。ただ同じスチールケースのリープ V2ほどカーブが深くはなく、スリムな背もたれのため邪魔になるようなことはありませんでした。

高さ方向のカーブは側面から見るとウエスト付近がしっかり張り出した形状に見えますが、座ってみると見た目ほど主張していないながらもしっかり姿勢を正してくれる硬さがありました。

ランバーサポートを調節することで最もサポートしてほしい位置を調節することもできます。

背もたれの感触

背もたれクッションの感触は座面同様やや堅めに感じますが、気持ちの良い硬さです。体を預けると身が引き締まる感触で姿勢が支えられます。

背もたれの樹脂はリープと同様に柔軟性があるため、ストレッチの際には体を支えながらも背中の動きに柔軟に対応します。

以前レビューしたリープ V2と比べると少しだけ硬く感じました。腰回りをしっかりサポートしつつも、フレームに固定されず自由に動く3Dライブバックテクノロジーは、スチールケースお得意のサポート感でとても快適です。

ジェスチャーの3Dライブバックテクノロジー

ランバーサポート

ジェスチャーのランバーサポート調節範囲
ジェスチャーのランバーサポート調節範囲

上下調節幅:117mm(計測値)
(公式サイトは101mm)

公式サイトでは標準で装備されているようですが、他のショップではオプション扱いとなることもあるようです。背もたれクッションとそれを支える樹脂(シェル)の間にあり、高さ幅約110mmの帯状のランバーサポートになっています。

しっかりしたサポートですが、ライブバックの柔軟性とうまく調和しており、主張し過ぎず柔らかすぎず、個人的には丁度良い存在感でした。私の身長(173cm)では仙骨から腰椎までどこでも好きな位置に設定できました。

リクライニング

ジェスチャーのリクライニングは角度固定ができませんが、範囲固定が可能なタイプです。

ジェスチャーのリクライニング範囲調節

リクライニングの最大角度
初期状態:105°(計測値)
1段階:112°(計測値)
2段階:127°(計測値)
3段階:133°(計測値)
4段階:138°(計測値)

ジェスチャーのリクライニングは、背もたれを倒すと座面も少し傾く「シンクロチルトリクライニング」です。ただし、座面の傾きは小さめで、上半身と下半身の角度が大きく開く仕組みです。

ジェスチャーのリクライニングの軌跡
ジェスチャーのリクライニングの軌跡

リクライニングの動きは粘りがあるため、反発力を適切に調整すると、重心移動だけで好みの角度を保って作業できます。

一方で、この粘りはロッキングチェアのようにゆらゆら揺れる動きには向いていないため、用途によっては注意が必要です。

ジェスチャーのロッキングの様子

同じスチールケースのリープ V2と比較するとリクライニングの感触はよく似ていますが、座面とアームレストの動きに大きな違いがあります。

具体的には下の表にまとめました。参考までに動きが大きく異なるエルゴヒューマン プロ2オットマンも比較に加えておきます。

比較項目ジェスチャーリープ V2エルゴヒューマン
プロ2オットマン
座面角度奥が少し下がるほとんど変化なし奥がわずかに下がる
座面前後移動ほとんど変化なし前方後方
アームレスト後方へ移動
角度もわずかに変化
ほとんど変化なし後方へ大きく移動
角度も大きく変化
アームレストと座面の動きの比較(ジェスチャーvsリープvsエルゴヒューマンプロ2オットマン)
アームレストと座面の動きの比較
(ジェスチャーvsリープvsエルゴヒューマンプロ2オットマン)

アームレストを使う作業中の姿勢変化への対応は、座面の前方への移動とアームレストの変化の小ささからリープに軍配が上がるかもしれません。

エルゴヒューマンでアームレストを使う場合は、リクライニングを固定したほうが使いやすいと感じました。

マニュアル調節

ジェスチャーの調節機能は全てが座面右下に集約されているので分かりやすく、操作も簡単です。しかもすべてダイヤルを回転させることで調節できるため、覚えやすく見た目もすっきりしています。

前方のダイヤルが座面操作、後方ダイヤルがリクライニング操作で、いずれのダイヤルも2重ダイヤルになっており、合計4つの操作ができます。

前方手前:
座面奥行き調節ダイヤル(最大3回転)で座ったままで調節可能。とてもスムーズです。

ジェスチャーの座面奥行き調節ダイヤル
座面奥行き調節ダイヤル

前方奥:
座面高さ調節レバーで昇降動作も滑らか。

ジェスチャーの座面高さ調節レバー
座面高さ調節レバー

後方手前:
リクライニング反発力調節(最大3回転半)で、重すぎず軽すぎず適切な調節具合。 強弱の範囲も問題なし(私の場合は最弱から半回転くらいがベストでした。)

リクライニング反発力調節ダイヤル

後方奥(リクライニング範囲調節レバー):
リクライニング角度範囲調節(最大1/4回転)で、あえて言うなら少し軽い使用感。

リクライニング範囲調節レバー

いずれの操作の感触もスムーズで高級感があると感じました。調節のための回転回数も控えめで調節しやすかったです。

重複になりますが「気になる点」でお話しした通り、ジェスチャーはリクライニング反発力をかなり弱く調節した状態では、背もたれから上半身を離しても少し傾いた状態で止まることがあります。

これは座った状態で手で背もたれを戻すか、いったん立ち上がると元の位置まで戻ります。

傾いた状態のままで反発力を調整しようとするとかなり重いので、元の角度に戻してから調節することをおすすめします。

アームレスト

アームレスト上下調節

ジェスチャーのアームレスト上下調節
ジェスチャーのアームレスト上下調節

調節幅(7段階):110mm(計測値)
公式サイトでは136mm
 アームの上下角度:3~36°(計測値)但しアームパッドは水平を保ちます。
床面からの調節範囲:590~827mm(計測値)
公式サイトでは、569~832mm

アームレスト左右調節

ジェスチャーのアームレスト角度調節範囲
ジェスチャーのアームレスト角度調節範囲

左右調節(無段階):根元の回転角42°(計測値)

アームパッド前後調節

ジェスチャーのアームパッド前後調節範囲
ジェスチャーのアームパッド前後調節範囲

前後調節(無段階):50mm(計測値)

アームパッド回転調節

ジェスチャーのアームパッド回転調節範囲
ジェスチャーのアームパッド回転調節範囲

アームパッドの回転角(5段階):内側最大15°、外側最大15°

アームパッド自体は薄く硬めのクッションが採用されています(動画はこちら)。薄さは初代エルゴヒューマンと同じくらい(推測で5mm程度)で、柔らかさは初代エルゴヒューマンのほうが柔らかいです。

360°回転アーム

ジェスチャー最大の特徴は調節範囲の広いアームレストです。

公式サイトでは「360°回転アーム」と銘打たれていますが、どこかの調節が360°回転するわけではありません。

アームレストの可動範囲を正面から見た際に360°回転するように動いて見える」といったほうが誤解が無いように思います。

ジェスチャーの360°回転アーム
ジェスチャーの360°回転アーム

これだけの調節範囲を持ちながら、ガタツキがほとんどなく、操作音がとても静かで操作感もスムーズなオフィスチェアはなかなかありません。

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アームレストの操作音

最狭アームレスト

ジェスチャーのアームレストの左右幅がいかに狭くできるか、ここでは具体的な比較をご紹介します。

オフィスチェア左右アームレストの最短距離
ジェスチャー180 mm
初代エルゴヒューマン プロオットマン210 mm
エルゴヒューマン プロ2オットマン215 mm
リープ V2325 mm
アーロンチェア リマスタード355 mm
コンテッサ セコンダ365 mm
各オフィスチェアの左右アームレストの最短距離の比較(ジェスチャー、初代エルゴヒューマンプロオットマン、エルゴヒューマンプロ2オットマン、リープV2、アーロンチェアリマスタード、コンテッサセコンダ)
各オフィスチェアの左右アームレストの最短距離比較

ちなみにジェスチャーの180mmはアームレストを最高位置にした状態での計測値で、これを最低位置で測るともっと狭くなり120mmになります。ただこの位置でタイピングに使える人はあまりいないため、最高位置で比較しています。

ちなみにリープ V2は数値上4番目になっていますが、エルゴヒューマンほどアームパッドを「ハ」の字に回転させなくても全体が内側に寄るため、腕全体が乗りやすく、ジェスチャーに次いで使いやすいです。

ヘッドレスト

高さ調節:120 mm
前後調節:100 mm
上下角度調節:90°

調節は背もたれとの結合部にヒンジがあり、この角度を変えることでヘッドレストアームを前後に調節可能です。

ヘッドパッドの結合部ではヘッドパッド自体の上下角度と高さ調節が可能です。3つの調節機構により細かな調節ができます。

ジェスチャーのヘッドレストはオプションとなりますが、ユーザーでの脱着はできません。あとから変更できないため、よく考えて選択することが大切です。

公式サイトではヘッドレストのオプション価格はファブリックで+55,000円、レザーで+50,000円となっています。ヘッドレストの張地の色は公式サイトでは張地の色に一致するようになっています。

キャスター

直径:65mm(計測値)

公式サイトではソフトキャスターが標準となっていますが、販売店によってはオプション扱いで選択可能です。公式サイトでも交換用にソフトキャスターとハードキャスターの販売があります。

オプション

販売サイトによっては下記のオプションがあります。

ランバーサポートスライダー
 (公式サイトでは標準装備)
ソフトキャスター
 (公式サイトでは標準装備。交換用にソフト、ハードともに販売有り)
ポリッシュアルミベース
 (公式サイトには記載なし)
コートハンガー
 (公式サイトには記載なし)

重量

レビューしたジェスチャーの重量は下記のとおりです(ヘッドレスト無し、ランバーサポートあり、シェルバック)。

重量:25.35kg(計測値)

スリムに見える割に重量はしっかりあります。

参考までに
アーロンチェア リマスタード(18.4 kg)
リープ V2(21.15 kg)
コンテッサ セコンダ(21.9 kg)

ちなみに、ヘッドレストとオットマンを装備したエルゴヒューマン プロ2オットマンは、24.9kgです…。

ジェスチャーって、かなり重いですね。
取り回しがそれほどでもないため、気づいていませんでした。ヘッドレスト無しの状態ではレビューした中で最も重いオフィスチェアになります。

製品保証

ジェスチャーの製品保証は購入店舗により違いがあります。ここでは最も手厚いと思われる公式サイトの保証内容を紹介します(正確には引用元の公式HPをご確認ください)。

ライフタイム保証:フレーム、シートシェル、アウターバック、肘掛けフレーム構造、ベース、フットリング

12年保証:機械機構、空気圧シリンダー/ガスリフト、肘掛けキャップ、フォーム素材、キャスターおよびグライド

特にライフタイム保証は「最初の購入者が所有する期間」とあり、長く安心して使えるのがメリットです。

ただし、保証の適用条件(販売店や使用環境など)に細かいルールがあるため、事前にしっかり確認することが重要。特にライフタイム保証は素材や製法に欠陥がない場合は、適用外です。

また、スチールケースのオンラインストア以外の販売店では保証内容が異なることもあるため、購入時には要チェックです。

ジェスチャーのまとめ

最後まで読んでいただき、ありがとうございます。

総括するとジェスチャーはアーロンチェアよりもリラックスでき、コンテッサよりも作業寄りのオフィスチェアです。

特に少し硬めの座り心地と調節範囲の広いアームレストは、他にはないジェスチャーの特徴です。

もしこの記事を読んで興味を持っていただけたなら、ぜひ店頭に行き、座り心地を確かめてみてください。

皆さんが魅力的なオフィスチェアに出会えることを願っています。

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