エルゴヒューマン?
確かによく聞くけど、最近似たような形でもっと安い椅子があるよね。
機能も似てるならそっちで良くない?
確かに一見すると同じようなデザインと機能をもっているように見えます。
しかし2023年8月に発売された新しい【エルゴヒューマン プロ2オットマン】は大きく進化しました。
同じ独立式ランバーサポートを特徴とする椅子の中でも、エルゴヒューマンのみが持つ新しい前傾チルト機能。
肉厚で柔らかな感触の新アームパッドと、ガタツキの無い静音性の高いアームレスト。
さらにはロッキング機能自体も大きく変わり、全体として以前より遥かに高級感を感じられるオフィスチェアに生まれ変わりました。
私はこれまで初代エルゴヒューマン、アーロンチェア リマスタード、コンテッサ セコンダのレビューと比較記事を書いてきました。
そして今回ついに、新しいエルゴヒューマン プロ2オットマンをご紹介することになりました。
この記事では、新しいエルゴヒューマンがどんな座り心地で、初代エルゴヒューマンを含めた他の椅子と何が違うのかをお話しします。
この記事を読むと、あなたが新しいエルゴヒューマンに向いているのか、それとも他の椅子を検討すべきかが分かります。
新しいエルゴヒューマンとは
初代エルゴヒューマン(Ergohuman)は2005年に発売されました。
以来、初めてフルモデルチェンジを行ったのがエルゴヒューマン プロ2(Ergohuman PRO2)とエルゴヒューマン プロ2オットマン(Ergohuman PRO2 Ottoman)です。
プロ2はヘッドレストの有無でハイタイプ(High)とロータイプ(Low)に分かれます。
プロ2オットマンはプロ2のハイタイプ(ヘッドレスト有り)にオットマン(足置き台)を装備したものになります。
本記事では「プロ2オットマン」を中心にお話しします。
(2025/2/1以降に販売されたものについては、メモリーロッキング機能が追加されています。この機能の詳細はエルゴヒューマン公式をご覧ください。)
エルゴヒューマン プロ2オットマンの概要

- 全面メッシュチェア
- ヘッドレスト、4Dアームレスト、独立式ランバーサポート、前傾チルト機能、オットマンを装備
- リクライニングは最大130度(水平からの計測値)で4段階の固定が可能
- 3つの調節をレバー1本で操作できるハイブリッドレバー搭載
- カラーは樹脂フレーム2色、メッシュ5色の組み合わせ(10種類)が可能
- 【2025年1月時点】メーカー希望小売価格は227,700円(税込)で、実売価格は概ね33%Off
(プロ2ハイタイプは198,000円(税込)、ロータイプは181,500円(税込)で、実売価格は同じく33%Off) - 【2025年2月以降】メモリーロッキング機能追加版発売
メーカー希望小売価格は260,700円(税込)で、実売価格は概ね33%Off
(プロ2ハイタイプは231,000円(税込)、プロ2ロータイプは214,500円(税込)で、実売価格は同じく33%Off) - 2025年2月現在、市場にメモリーロッキング機能追加版と無し版が混在していますので、ご購入の際はこの点にご注意ください。
初代エルゴヒューマンからの変更点

- デザインの変更(フレーム、オットマン、ボルトレス化)
- 全体的なガタツキの抑制と静音性・操作感の向上
- 前傾チルトの改善(操作の簡略化と背もたれの前傾追加)
- メッシュ素材の弾力およびアームパッドのクッション改善
- 独立式ランバーサポートの反発力調節機能が追加
- ロッキング機構(バネを含む)の変更
- 5.4 kgの軽量化(プロオットマン同士での比較:24.9 kg ←30.3 kg)
- 2025/2/1以降はメモリーロッキング機能追加版が発売開始
その他のラインナップ
エルゴヒューマンにはプロ2、プロ2オットマンの他にもSE、Fit2(フィット2)、ENJOY2(エンジョイ2)があります。
これらについては記事の最後で少しご紹介したいと思います。
気になる方はこちらをご覧ください。
またこれ以前の初代エルゴヒューマンについては、下の記事をご覧ください。

エルゴヒューマン プロ2オットマンの結論
まず最初に結論である「どんな人が新しいエルゴヒューマンに向いていて、向いていない人はどんな人なのか」を説明します。
向いている人
- PC作業など顔を前に向けることが多いけど、筆記作業もある人
- アームレストを使った作業をしたい人
- リラックスにも活用したい人
- 使い心地の良さを求める人
向いていない人
- 机まわりをコンパクトにしたい人
- この椅子で休憩や気分転換しない人
- 筆記など顔を下に向ける作業がほとんどの人
- 機能に対する高いコスパを求める人
エルゴヒューマン プロ2オットマンに向いている人
PC作業など顔を前に向けることが多いけど、筆記作業もある人
エルゴヒューマンは初代の時から顔を前に向ける後傾姿勢を最も得意としていました。
新しいエルゴヒューマンでは前傾チルトが一新され、簡単に座面と背もたれが前方へ傾くようになったため、弱点だった顔を下に向ける前傾姿勢にも簡単に対応できるようになりました。
筆記作業が作業の半分くらい占める人にもおすすめできる一脚です。
アームレストを使った作業をしたい人
エルゴヒューマンのアームレストは大きく、かなり内側まで回転してくれるため、タイピングに使用しやすい作りになっています。

しかも今回アームパッドのクッションが従来の2倍近くの厚みになり圧倒的な柔らかさを手に入れました。
この柔らかさはもはやタイピングだけでなく、ひじを立てたスマホ操作や読書に使っても全く痛みを感じないほどです。
たとえアームレストの使用頻度が低くても、離着席時に触るだけで(私は)結構心が満たされます。
リラックスにも活用したい人

オフィスチェアでリラックスするには、背もたれの高さが重要です。
体を預けてゆっくりしたいなら、個人差はありますが、肩甲骨の2/3以上はしっかり支えたい所です。
新しいエルゴヒューマンの背もたれは、ラチェット機構になり簡単に高さ調節ができるため、角度を倒してリラックスするのに向いています。
オットマンの面積も以前に比べて広くなっているため、より快適になりました。
使い心地の良さを求める人
以前のエルゴヒューマンから最も大きく変わったのが、使い心地の質です。
まず全体的なガタツキが圧倒的になくなりました。以前はアームレストのガタツキが大きかったのですが、新しいアームレストはほとんどガタツキが無いと言っていいレベルです。
同様にヘッドレストを含む全体のガタツキも大幅に改善されました。
(動画はミュートを解除して再生してください。)
また以前は割と調節音がうるさかったアームレストの回転調節とリクライニングロックの音も断然小さくなりました。
さらに調節の感触もガチャガチャ感が無くなり、高級さを感じる「カチリ」という感触になりました。
(動画はミュートを解除して再生してください。)
リクライニングのロック音もかなり静かになりました。
(動画はミュートを解除して再生してください。)
ただ、初代エルゴヒューマンのリクライニングロックのコツ(詳細はこちら)を使う方法が一番静かではあります。
エルゴヒューマン プロ2オットマンに向いていない人
机まわりをコンパクトにしたい人
エルゴヒューマンは割と大きめのオフィスチェアですので、それなりのスペースが必要です。
リクライニングを倒し、オットマンに足を乗せてリラックスするには、机の前縁から後方に最低でも100cmの余裕が欲しいところです。
下の写真は、机の縁から壁までの距離が90cmの時と100cmの時を比較したものです。

使う人の体格にもよりますが、90cmだと席を立った時(背もたれは1段階後ろに倒した状態です)や、ストレッチをした際に後ろの壁に椅子や手が接触します。
100cmなら、なんとか接触しませんでした。
もしスペースの確保が難しい場合は、よりコンパクトな椅子を検討したほうが良いかもしれません。
休憩や気分転換に使用しない人

机の前では作業に集中し、リラックスタイムは必ず別の場所でとる方にとって、エルゴヒューマンのいくつかの機能が無駄になる可能性があります。
作業と休憩をしっかり分けることはとても理想的なことです。
それができるのであれば、必要な機能に特化した、あるいは不要な機能をそぎ落とした別の候補も考えてみることをおすすめします。
筆記など顔を下に向ける作業がほとんどの人
エルゴヒューマンが最も得意とする姿勢は後傾姿勢です。
顔を下に向ける作業がほとんどを占める場合、前傾チルト機能で対応できますが、このオフィスチェアの最大の長所を活かすことができません。
向いていないというより、ちょっともったいないような気がします。

機能に対する高いコスパを求める人
新しいエルゴヒューマンは座り心地だけでなく、各機能に操作の感触や静音性といった品質の良さを上乗せしています。
またアフターサポートにも力を入れており、万が一修理に出した場合、代替機を無料で貸し出してくれるほどです。
(エルゴヒューマン公式HPのAFTER SUPPORTの下の代替機貸出をご覧ください。)
そういった使うときの気分的な気持ち良さや安心感ではなく、「必要な機能があって、それがしっかり働くならコストを優先する」といった場合は、コスパが悪く思えるかもしれません。
エルゴヒューマン プロ2オットマンの良い点、気になる点
エルゴヒューマン プロ2オットマンは初代から大きく改善されましたが、特に良かった点をご紹介します。
また改善されたけれども今一つ気になる点についても包み隠さずお話ししたいと思います。
- アームパッドがリッチになった
- ガタツキが解消された
- PC作業と筆記作業を行き来する人にピッタリ
- 高級感のある動作と調節音、ボルトレスデザイン
- 着席時のゴトゴト音
- アームレストの高さ調節機構
- ランバーサポートの反発力調節がやり辛い
- オットマンのラチェット音が気になる
エルゴヒューマン プロ2オットマンの良い点
アームパッドがリッチになった
まず最初にお伝えしたいのがアームパッドのクッションです。
初代のアームパッドも柔らかいクッションは入っていたのですが、厚みが薄く、ひじを立てて使うとさすがに痛くなってしまうものでした。
しかし新しいエルゴヒューマンのアームパッドは従来のクッションの2倍近くの厚みがあり、かなりしっかりしたクッションが入っています。

実際ひじを立てて1時間ほど読書をしてみましたが、全く痛みを感じませんでした。
以前レビューしたアーロンチェアのアームパッドに負けない柔軟性です。
もし試座する機会があればぜひ触ってみてください。
下の動画はエルゴヒューマン同士のアームパッドの柔らかさを比較したものです。
ガタツキが解消された
[使い心地の良さを求める人]でもお話しした通り、初代の泣き所であったガタツキが圧倒的に解消されたおかげで、しっかりした作りのオフィスチェアという印象が強くなりました。
PC作業と筆記作業を行き来する人にピッタリ
新しいエルゴヒューマンでは、ロッキング(リクライニング)の反発力を出すバネが圧縮コイルバネからグラスファイバーの板バネに変更されました。
地味な変更のようにも思えますが、これによりロッキングの感触が大きく変わりました。
以前はリクライニングを固定せずにもたれると、押した力がそのままバネの力で帰ってくる感触でした。
ですので、そのまま作業をすると、体を少し動かしただけで背もたれの角度が変わってしまい、安定した姿勢を保つことが少し難しかったです。
新しいエルゴヒューマンでは、リクライニングを固定しない状態でも角度が安定します。
つまりリクライニングのロック位置以外の好きな角度で、作業を安定して続けることができるようになりました。
角度固定しない作業スタイルは、PC作業と筆記作業を行き来する人には特におすすめです。
下の動画は重心移動だけで様々な角度で安定するかを試したものです。エルゴヒューマン プロ2オットマンは、どの角度でも安定することが分かると思います。
これは同じ板バネを採用しているアーロンチェアでも体験したことで、ロッキングの反発力で背もたれが動くとき、ロッキング機構に若干の摩擦のような力が働き、動きを押しとどめているように感じました。
一方で初代のようなばね感が小さくなったため、新しいエルゴヒューマンでロッキングチェアのように上半身を揺らそうとすると、戻るときに少し腹筋を使う必要があります。
上の動画でも分かる通り、初代のほうが揺れる間隔が短いです。
これは初代のほうが、傾きが戻る力に抵抗が無いためです。
ロッキングチェアのような揺れを期待するなら、初代のロッキングのほうが気持ちいいです。
ただ、体重移動による傾きの調節とその角度の保持は、新しいエルゴヒューマンのほうがやりやすいです。人によって好みが分かれるかもしれません。
なお、2025/2/1以降に販売されたものにはメモリーロッキング機能が追加されており、さらに角度調節がしやすくなっています。
高級感のある動作と調節音、ボルトレスデザイン
新しいエルゴヒューマンでは調節音もかなり小さくなりました。
特に初代で気になったリクライニング固定時の「バキッ」という衝撃音は完全に解消され「カチリ」という静かな音になりました(動画はこちら)。
最大リクライニング角度での衝撃と音もかなり小さくなっています。
(動画はミュートを解除して再生してください。)
アームレストの回転調節音もかなり抑えられ静音性が高まりました。調節時の感触が滑らかになり、高級感を感じる仕上がりになっています。(動画はこちら。)
また特に公式で謳っているわけではありませんが、初代に比べると徹底的にボルトレス化されており、デザイン性が高まりました。

エルゴヒューマン プロ2オットマンの気になる点
着席時のゴトゴト音
金属フレームを持つ多くの椅子に言えることですが、リクライニング機構の遊びによるゴトゴト音が少し気になります。
丁寧に扱っていればあまり気にならないレベルですが、もう少し静かで滑らかな感触になるとさらに高級感が増すと思いました。
(動画はミュートを解除して再生してください。)
アームレストの高さ調節機構
新しく取り入れた高さ調節のラチェット機構は下から上にあげて調節し、任意の高さで止められます。
一番上まで上げるとリセットされて下がる一方通行の調節機能ですが、少し気になるところが3つあります。
- 微調節ができない
- 調節段階が細かすぎる
- ラチェット音が気になる
1つめは、調節途中で高さを下げる微調節ができないことです。
高さを上げる方向にしか変更できないせいで、微調節がやり辛いです。
しかも調節がやや固めのため、両手を使ってもなかなか思う高さに調節できず、何度もやり直す羽目になります。
2つめは、調節段階が細かすぎて、左右の高さを機械的に同じにし辛いことです。
ラチェット音を数えるとおそらく31段階あるのですが、調節のたびに数えて左右を揃えるのは正直しんどいです。
私の場合は「どうせ人間の腕の長さ自体が左右同じとは限らないし」と早々にあきらめ、大体の感覚で合わせています。
気になる人は支柱の目立たない位置に印をつけておくことで、ある程度対応できると思います。
3つめは、個人的な感覚のお話で恐縮ですが、高さ調節のラチェット音がイマイチに聞こえてしまうことです。音量自体はそれほど大きくありません。
ただアームレストの回転やリクライニングロックの調節音がとても静かになったせいか、高さ調節のラチェットの「ジジジ」という音が他の音に対して少し違和感があるように思えました。
これは人それぞれ感じ方が違うと思いますので、試座の際にぜひ確認してみてください。
(動画はミュートを解除して再生してください。)
ランバーサポートの反発力調節がやり辛い
反発力を最弱から最強まで調節するのに何回も回す必要があります(計測値は最大11回転程度)。やや固めの調節機構でもあるため、頻繁に調節するのは結構大変です(詳細はこちら)。
ここは何かギミック(オカムラ社:フィノラのスマートアジャストのような)を設けて簡単に調節できるようになればいいと思います。
オットマンのラチェット音が気になる
初代とほぼ同じ音量なのですが、新しくなって全体的に静音性が高まったことで、ここが目立つようになってしまいました。
あと折り畳みのロックも結構大きい音がします。
(動画はミュートを解除して再生してください。)
エルゴヒューマン プロ2オットマンの実際の使い心地
ここでは身長170cm、体重60kgの私が、実際にプロ2オットマンに座ってみて感じたことを要点ごとにまとめてお話しします。
- 座り心地
- リクライニング
- アフターサービス
座り心地
新しいエルゴヒューマンの座り心地は、初代に比べて格段に良くなりました。
座った瞬間のメッシュと椅子自体の感触、ヘッドレスト、アームレスト、オットマンに体を預けた時の安心感は、3年以上初代を使い続けた私にとってかなりの感動がありました。
メッシュ座面の座り心地が良くなった
座面はしっかりした張りのある感触です。
座った瞬間の平べったい感触や、席を立つときにメッシュの反発力が少し助けてくれる感覚は、アーロンチェアの座り心地に少し似ているように思えました。
これは座面フレームの形状自体が平らになったことも大きいと思います。
下の写真では横から見た座面形状の比較を行っています。

メッシュの弾力は初代から10%UPしており、その違いは座り比べるとはっきりわかるほどです。
初代と比べると座骨下辺りの座り疲れを感じにくくなりました。
アームパッドが柔らかい

良い点でもお話しした通り、アームパッドの肉厚な柔らかさは他のオフィスチェアと比べても最高峰にあると感じました。
おかげでこの椅子に座って本を読むのが、とても楽しくなりました。
待望のランバーサポートの反発力調節
「エルゴヒューマンのランバーサポートの強さも調節できたらいいのに」と思われていた方も多いのではないでしょうか。
そんな待望の機能が搭載されたランバーサポートですが、最弱の調節位置で初代エルゴヒューマンと同じくらいの反発力になると思います(完全に私の感覚ベースです)。
先にお話しした通りちょっと調節しにくい点はあるのですが、初代では腰の押し具合が物足りなかった人に特におすすめの機能になります。
また腰で上半身を固定する筆記作業にも効果的です。
ただ、強くしすぎると逆に腰が痛くなることもあるので、最初は最弱から徐々に試すと良いと思います。
ちなみにランバーサポートの押し具合が合っているかは、座った瞬間では分かり辛いです。
私の場合は30分から1時間くらいで、強いとか弱いとかを感じるようになりました。ランバーサポート自体をその名の通り腰椎(Lumbar)に当てるのか、仙骨に当てるのかでも変わりますので、ゆっくり時間をかけて調節していきましょう。
(ランバーサポートをどこに当てるかはこちら。)
フレームの干渉が無くなった
初代の背もたれは、少し猫背になったときに背骨がクッションで保護されたランバーサポートのフレームに当たり、違和感を覚えることがありました。
しかし下の写真にある通り、新しいエルゴヒューマンでは、ランバーサポートと背もたれのフレームが背骨から距離をとる方向に湾曲した形状に変更されたため、背骨と干渉しなくなり違和感が消えました。
これにより、さらにくつろげる背もたれになっています。

オットマンが快適
初代のオットマンは他のオフィスチェアと比べても面積が控えめでした。
新しいエルゴヒューマンでは、これが大きなオットマンに一新され、ふくらはぎから足首までゆったり載せることができるようになりました。

前傾チルトの改善
初代では座面しか前傾しませんでしたが、新しいエルゴヒューマンは背もたれもしっかり前傾するようになりました。
初代では上半身が背もたれから離れてしまい猫背なりやすかった姿勢が、新しいエルゴヒューマンの背もたれが前傾することにより、上半身を背もたれに軽く当てることで猫背を防止することができるようになりました。
ただ猫背を矯正してくれる機能ではないので、常に意識する必要はあります。

ちなみに前傾チルト姿勢は慣れていないと結構疲れる姿勢です。
こまめに休憩を入れながら作業することをおすすめします。
あるいはあえて前傾でロックせず、リクライニング強度を高めにしてある程度角度を緩めるのもありだと思います。
ただし猫背防止が弱くなるので、常に姿勢に気を付ける必要があります。
リクライニング
リクライニングの感触も初代から大きく変わりました。初代ほど腰が深く落ち込まないドリフトロッキングに加え、[PC作業と筆記作業を行き来する人にピッタリ]でもお話ししたリクライニングばねの変更がここまでロッキングの感触を変えるのかと驚きました。
ドリフトロッキング採用
ロッキング時において座面が角度変化を抑えながら後方に移動することで、独立式ランバーサポートとの距離の変化を抑える機構になりました。(エルゴヒューマン公式HPの説明動画はこちら。)
これによりロッキングを繰り返しても背中のシャツが捲れ上がりにくくなります。実際にどの程度変わるのか試してみたのですが。。。
動画のとおりで、そもそもそんなにシャツが捲れ上がることが無く、結果にも大きな差を確認することはできませんでした。もっとシャツが捲れやすい状況を考えて、改めて検証してみたいと思います。
一方でドリフトロッキングは、上半身と下半身の角度が広がることにより、今まで以上に緊張感をほぐすことができます。
下記の写真の角度は、上半身と下半身の開き具合を写真上で計測したものです。
初代に比べてプロ2オットマンのほうが角度が大きくなっていることが分かると思います。
これはプロ2オットマンの座面が初代よりも下に落ち込まなくなったおかげです。
なお写真の角度は、公式の示すリクライニング角度とは計測方法が異なるのでご注意ください。

アフターサービス
エルゴヒューマンはアフターサービスが充実しています。
先にもご紹介した通り、万が一の修理の際は、代替機を無料で貸し出してくれます。
保証期間も構造体は5年と長いです(構造部と可動部は2年、外装と表面仕上げは1年)。
またトラブル対応の窓口もしっかりしています。
私はたまたま機会があり、窓口の方と電話でお話ししましたが、大変丁寧に対応していただき、即時解決しました。
他にもちょっとした質問をメールで問い合わせましたが、夕方に問い合わせて翌日の昼には返信をいただけました。
こういったことは実際に体験してみないと分からないので、皆さんにご紹介できる良い経験ができたと思っています。
エルゴヒューマン プロ2オットマンのまとめ

新しいエルゴヒューマンは、簡単に前傾チルトが可能になり、前傾から後傾までどの姿勢でもこなせるマルチタスクオフィスチェアとして生まれ変わりました。
従来よりリラックスできるドリフトロッキングや、ガタツキなく静音性の高くなったアームレストとリクライニング機能で、使うこと自体に喜びを感じられる高級オフィスチェアになったように思います。
独立式ランバーサポートを備えたタイプのオフィスチェアとしては、おそらく現状唯一の前傾チルト機能を搭載しています。
リッチなアームパッドはオフィスチェアとして最高峰の域にあるでしょう。
ドリフトロッキングやグラスファイバーの板バネの採用も同タイプにはあまり例がありません。
類似したデザインで、より低価格の多機能チェアは確かに多くなりました。
素材や機能の品質、使う感触などの感性的なものよりも、機能性とコストパフォーマンスを追求する場合は、それらのオフィスチェアに軍配が上がることもあると思います。
しかし新しいエルゴヒューマンほどの高い完成度をもって様々な機能を搭載したオフィスチェアは、なかなか無いのではないでしょうか。
新しいエルゴヒューマンは、より高価格帯のアーロンチェアやコンテッサに十分対抗していける高級オフィスチェアに仕上がってきていると感じました。
以上、ここまで読んでいただき、ありがとうございます。
もしこの記事でエルゴヒューマンに興味を持っていただけたなら、ぜひ店頭で座ってみてください。
皆さんが魅力的なオフィスチェアに出会えることを願っています。
さらに各部位の詳細を知りたい方は、以下に細かい説明を載せておきますのでご覧ください。
エルゴヒューマン プロ2オットマンの各部位詳細
ここではエルゴヒューマン プロ2オットマンの各部位について詳細にお話ししますが、プロ2も基本同じです。注意点は、プロ2にはオットマンが付いていないこと、ヘッドレストの有無が選択できることです。
メッシュ
座面
座面高さ調節
座面奥行き調節
背もたれ
背もたれ高さ調節
リクライニング
テンション調節ノブ
前傾チルト機能
独立式ランバーサポート
アームレスト
アームレスト高さ調節
アームレスト前後調節
アームレスト左右調節
アームレスト角度調節
アームパッド
ヘッドレスト
ヘッドレスト高さ調節
ヘッドレスト角度調節
オットマン
キャスター
オプション
カラーバリエーション
保証内容
メッシュ
- 初代のメッシュに比べ、弾力が10%UPしたT168メッシュを採用
- 12か所のエリア別サポート
初代エルゴヒューマンよりも弾力が増していることは、座り比べると実感できます。
12か所のエリア別サポートと公式のHPにありますが、詳しい内容は現状不明です。
メッシュ自体は下の写真にもある通り、初代と比べて縦糸が増えています。

手で触ると初代よりも少しざらっとしており繊維と温かみを感じますが、座った時に温かみを感じるわけではありません。
冬場の寒さもほとんど変わりありません。
また初代にあったレザー仕様や3Dファブリックメッシュは、現状ラインナップされていません。
座面
座面フレームは初代から少し形状を変えてより平らな形になりつつ、前縁部では太ももとの接触を避けるようにしっかり下に下がるようになりました。
これにより前縁部と側縁部にあったクッションは取り除かれました。
メッシュの張りが強くなったこともあり、この変更で特にフレームに足が当たって痛いということもありませんでした。
私はやせ型ですので、もっと体格のしっかりした方や体重のある方は感じ方も異なると思いますので、試座は必須です。

座面の大きさは幅と奥行きが少し広くなりました。
エルゴヒューマン プロ2オットマン:幅520mm、奥行き480mm(いずれも計測値)
初代エルゴヒューマン プロオットマン:幅505mm、奥行き470mm(いずれも計測値)
初代でも見えにくい位置にあったボルトは、新しいエルゴヒューマンでは完全にボルトレス化されました。
デザインにも徹底的にこだわっている姿勢が伺えます。

初代にあったクッション座面は、現状(2025年1月)ラインナップされていません。
座面高さ調節

座面右下のハイブリッドレバーを上に引き上げることで調節できます。
調節範囲は、455-540mm(カタログ値)で、調節幅は85mmです。
(個体差があると思いますが、私が測った計測値は460-550mm、90mmでした。)
座面奥行き調節

座面右下のハイブリッドレバーを前方に倒すことで調節できます。
調節幅は、40mm(計測値)、5段階です。
初代プロオットマンは60mm(計測値)であったため、若干調節幅は小さくなっています。
背もたれ
割と大きめの背もたれはフラットな感じで、特に包まれるような感覚はありません。
比較的自由に動けます。
初代と比べると、背もたれのフレーム形状が少しリニューアルされています。
メッシュを固定する樹脂フレームは全体的に縁の厚みが薄くなり、またボルト穴もなくなったためすっきりしました。
背もたれを支える金属フレームも高さ調節の穴が外から見えない位置に移動し、支柱断面も単純な円柱から板形状になったことで、少し軽やかに見えるデザインになっています。

背骨との干渉を防ぐため、ランバーサポートと接するフレームが大きく後ろに湾曲する形状に変更されたことは[フレームの干渉が無くなった]でお話しした通りです。
背もたれ高さ調節

背もたれの高さを変更できる機能ですが、実際はその下にある独立式ランバーサポートの腰への当たり位置を調節する意味合いのほうが大きいです。
調節方法は、背もたれを直接持ち上げるだけで変更できるラチェット方式になりました。
一番上まで持ち上げるとリセットされ、一番下まで下がります。
調節幅は、50mm(計測値)、6段階です。
操作が簡単で調節しやすくなりましたが、1つ注意したいことがあります。
それは左右の支柱のラチェットによるロックが、片側のみロックされないことがあることです。
その場合、背もたれが少し動くため、調節し終わったら必ず左右ともにロックされていることを確認しましょう。
リクライニング

背もたれの角度固定は、座面右下のハイブリッドレバーを後ろに倒すことで解除できます。
レバーを倒しても背もたれが動かない場合は、一度背もたれから上半身を離した後もう一度もたれてみてください。
リクライニングの最大角度は、130度(水平からの計測値)で4段階で固定可能です。
新しいエルゴヒューマンのリクライニングは、その機構(詳細はこちら)とバネ(詳細はこちら)が変更されていますので、背もたれを倒すときの感触が大きく変わりました。
またリクライニングロックの音(詳細はこちら)も静かになり使いやすくなっています。
テンション調節ノブ

リクライニング(ロッキング)の反発力を調節するノブで、座面右下にあります。
気分転換のストレッチや、角度を固定しないロッキング状態で丁度良い角度を保つため調節します。
新しいエルゴヒューマンではこの調節ノブがシンプルになり、かつ動作も軽くなったため使いやすくなりました。
調節の際は背もたれが倒れていない状態で行いましょう。
こういった回転系の調節はどちらに回せば強くなるのか混乱しがちですが、新しいエルゴヒューマンにはノブ自体に触った感触でわかる大小の突起がデザインされています(触覚デザインというらしいです)。
大きい突起の方向へ回すと、反発力が強くなることを覚えておけば便利です。
前傾チルト機能
前傾チルトは、筆記作業など顔を下に向ける作業時に座面を2°、背もたれは7°前方に傾ける機能です。
これにより筆記作業時の腹部の圧迫を緩和し、猫背になるのを防止する効果があります。
前傾チルト調整レバーは座面左下にあり、下にさげた状態で前傾チルトが可能になり、上にあげると前傾チルトが解除されます。
実際の操作は下記の手順動画をご覧ください。
ちなみに初代エルゴヒューマン プロおよびプロオットマンにもあった前傾チルト機能は、前傾に移行するため、いったん椅子から降りて座面下のノブを何回転(計測値で最大9回転半)も回す必要がありました。(初代の前傾チルト調節はこちら。)
また角度が変わるのは座面のみで背もたれはそのままでしたので、前傾チルトというよりは座面の角度調節機能といったものでした。

独立式ランバーサポート

独立式ランバーサポートは背もたれから独立して可動する腰椎を支えるための仕組みです。
椅子に座った時に姿勢が悪くなる原因は骨盤が寝てしまうことが原因であり、これを支えて正しい姿勢にしようという発想です。
名前はランバー(腰椎)ですが、その少し下の仙骨に当てて支える方法もあります。
背もたれの高さを変えることで、どこに当てるかを調節できます。

新しいエルゴヒューマンのランバーサポートは初代と比べて次の点が変わりました。
アームレスト
アームレストは新しいエルゴヒューマンで一新されました。
特にガタツキが無くなったこと(詳しくはこちら)と、アームパッドがリッチになったこと(詳しくはこちら)は大きな進化です。
アームレスト高さ調節

アームレストを直接上に引き上げるだけで高さ調節できるラチェット方式になりました。
ただし、途中で下げれないため調節しづらい面があります(詳細はこちら)。
調節幅は100mm(計測値)、31段階です。
各段階は非常に細かく、実質無段階といっていいレベルです。
初代の調節幅は80mm、9段階であったため、調節範囲が広がっています。
アームレスト前後調節

アームレストを前後に調節できます。
調節幅は35mm(計測値)、12段階です。
各段階は非常に細かく、段階の途中でも止められるため実質無段階です。
初代は調節幅40mmで単純なスライド機構でしたが、新しいエルゴヒューマンは小さなクリック音のするメカを内蔵する操作感の良い構造にグレードアップされています。
アームレスト左右調節

アームレストの左右位置を調節できます。
調節幅は10mm、無段階です。
初代の調節幅は20mm無段階であったため、調節範囲は狭まりました。同じスライド機構を採用しているようですが、スライドはやや固めの感触です。
アームレスト角度調節

アームレストの角度を回転調節できます。
調節範囲は内側60°(0°, 20°, 40°, 60°)、外側20°の5段階で初代と同じです(角度はいずれも計測値です)。
ただ段階途中でも止まるため、実質無段階で使用できます。
アームパッド
アームパッドの大きさは、計測値ベースで初代より長さ20mm、幅5mmほど大きくなっています。

新しいアームパッドの厚みは初代より10mm厚くなっています。

クッションのみの厚さはおおよその計測ですが、
10mm(初代)→20mm(新しいエルゴヒューマン)
と、ほぼ倍増しています(柔らかさの比較動画はこちら)。
ヘッドレスト
初代と比べてフレームデザインがシャープになり、重々しさが軽減されました。
ヘッドレスト高さ調節

調節幅は80mm(計測値)、9段階です。
初代は50mm、6段階でしたので、より幅広く調節できるようになりました。
ヘッドレスト角度調節

調節範囲は60°(計測値)、4段階です。
これは初代とほとんど変わりありません。
オットマン

新しいオットマンは足を乗せる面積が大きくなりました。
大きくなってもコンパクトに収納することができます。
足を乗せる部分の折り畳みは、折りたたむことのできる角度とできない角度があるので、覚えておくと便利です。
キャスター
キャスターは初代と同じ直径65mmのウレタンキャスターが標準装備されていますが、ナイロンキャスターに変更することもできます。カーペットの上で使うならナイロンキャスターのほうが動かしやすいです。

フレームの色にグレーを選ぶとキャスターの色もグレーになり、統一感にも配慮されています。

オプション

ジャケットハンガーのオプションがあります。使用しないときはコンパクトに収納できるものになりました。
初代の時にあったタブレットスタンドは、現状存在しないようです。
カラーバリエーション
新しいエルゴヒューマンはフレームで2色、メッシュで5色をそれぞれ組み合わせることができ、合計10種類の選択が可能です。
フレーム2色
- ブラック
- グレー
メッシュ5色
- ブラック
- ホワイト(実質ライトグレーに見えます)
- レッド
- ブルー
- グリーン
保証内容
保証内容は下記のとおりです。正しくは公式HPをご確認ください。
部位 | 詳細 | 保証年数 |
---|---|---|
外装、表面仕上げ | 塗装及び樹脂部分の変色・褪色、 レザー・クロスの摩耗 | 1年 |
構造部、可動部 | スライド機構・昇降機構などの故障、 背面・アーム取付ボルトの破損 | 2年 |
構造体 | 強度・構造体にかかわる破損 | 5年 |
さらに、万が一の修理の際は、修理期間中の代替機の貸し出しが無料とのことです。
(こちらも正しくは公式HPにてご確認ください。)
他のラインナップ
新しいエルゴヒューマンにはプロ2とプロオットマンの他に下記のラインナップがあります。
- SE [メーカー希望小売価格:297,000円(税込)]
- Fit2(フィット)[2025年1月時点のメーカー希望小売価格:181,500円(税込)]
- ENJOY2 High(エンジョイ2 ハイ)
[2025年1月時点のメーカー希望小売価格:148,500円(税込)]
[2025年2月時点のメーカー希望小売価格:165,000円(税込)] - ENJOY2 Low(エンジョイ2 ロー)
[2025/1月時点のメーカー希望小売価格:140,250円(税込)]
[2025年2月時点のメーカー希望小売価格:156,750円(税込)]
実売価格は概ね上記の33%Offですが、SEの値引きは無いようです。
各ラインナップを簡単に説明すると次のとおりです。
SE
プロ2オットマンをグレードアップした数量限定バージョンで世界で3000台、日本で300台の限定モデル(シリアルナンバー入り)。
メモリーロッキング(一定傾き以上に倒れない仕組み)、上下チルト機能追加の5Dアームレスト、クロコダイル柄のメッシュ採用を採用しています。
Fit2(フィット2)
プロ2ハイタイプの背面金属フレームが樹脂でできたもので、デザインも若干異なりますが、機能はプロ2とほぼ同じです。
(2025年2月以降はメモリーロッキング機能追加版が発売されました。)
ENJOY2 High(エンジョイ2 ハイ)
独立式ランバーサポートではなく、一体型のステルスランバーサポートになっています。
ジャケットハンガーのオプションは有りません。ヘッドレスト付きです。
ENJOY2 Low(エンジョイ2 ロー)
エンジョイ2 ハイのヘッドレストを除外したものです。

