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【オカムラ シルフィーを徹底レビュー】小柄な人にもフィットする優しいオフィスチェア【前傾姿勢完全対応】

記事内に商品プロモーションを含む場合があります

大きすぎる海外製オフィスチェアに座って、「しっくりこない」と感じたことはありませんか。

座面が高くてかかとが浮く。
前傾で書き物をすると腰に負担がかかる。

そんなあなたに試してほしいのが、オカムラのシルフィーです。

日本人の体格に合わせ、身長150cm台半ばから足裏をしっかり床につけられる設計。背もたれのカーブは体型に合わせて変えられ、さらに背もたれごと前傾できるため、PC作業も筆記も快適です。

私はこれまで6脚以上の高級チェアをそれぞれ最低でも40日以上使い込み、レビューしてきました。今回は51日間シルフィーを徹底的に座り込み、良い点・気になる点・他の高級オフィスチェアとの比較を本音でお話しします。

他のオフィスチェアでは真似できない前傾姿勢から後傾姿勢、リラックスまでをシームレスに行う方法についても解説。買う前に知っておけば、後悔しない選び方ができますよ。

オカムラ シルフィーの紹介

シルフィーの回転写真

シルフィーは、日本で最も売れているオフィスチェアの一つで、日本有数のオフィスチェアメーカ オカムラのオフィスチェアです。

デザインはシンプルですが、オプションが豊富でアームレストやヘッドレストをはじめ、ランバーサポートなども有無を選択できます。背もたれはメッシュ、もしくはクッションを選択することができます。

シルフィーの座り心地は体にフィットするタイプで、包み込まれる柔らかな感触を求めている人にピッタリのオフィスチェアです。

シルフィーの機能詳細を先に知りたい方は各部詳細からご覧ください。

オカムラ シルフィーの良い点・気になる点

シルフィーの良い点は4つ、気になる点は3つあります。

シルフィーの良い点

座面の座り心地が抜群

シルフィーの座面回転写真

コンテッサ セコンダのレビューでもお話ししましたが、硬さの異なる3種類のクッションで構成された異硬度クッションの座り心地は抜群です。異硬度クッションの詳細はこちら

クッションの厚みがしっかりあり、接触面全体で心地よい反発力を感じるため、どこか一部に負担を感じるようなことはありませんでした。

座り心地としても申し分なく、体重60kgの私がちょっと乱暴に座るくらいでは、全く底突きしません。もちろん長時間の着席でも太ももやお尻が痛くなるようなこともなく、快適に作業できました。

シルフィーの座面クッション

普段はメッシュ座面に座っている私ですが、座面の座り心地の感触のみを評価するなら、これまでレビューしてきた中でもコンテッサセコンダと並んで最もラグジュアリーで心地よいと感じています。

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小柄な人にも合わせやすいサイズ感

シルフィーの大きさは、コンテッサやエルゴヒューマンは少し大きいという人に、ちょうど良い大きさになるかもしれません。

最低座面高さの比較(シルフィーと初代エルゴヒューマン)
最低座面高さの比較(シルフィーと初代エルゴヒューマン)

シルフィーの適性身長は150cm台半ばから

シルフィーの座面高さは小柄な方にも使いやすい高さに調節できます。カタログ上の座面高さは最低が420mmとなっていますが、これはおそらく座面前縁の中央部付近の高さと推定されます。

よく座面高さは身長の1/4が適切といわれますが、実はこれ、座った時の坐骨付近の高さなんです。

座面高さと坐骨までの高さの比較
座面高さと坐骨までの高さの比較

シルフィーの座面の坐骨付近の高さ(坐骨高さ)はクッションの沈み込みも考慮すると、おおよそ390mm。
ここから適正身長を求めると
390mm X 4 = 1560mm = 156cm
となります。

ちなみにそれでも座面が高い方は、床置きのフットレストで調節するのも良い方法です。ただしその際は他のサイズが合うかの確認もお忘れなく。特に座面の奥行きが重要です。

バックカーブアジャスト機構
バックカーブアジャスト機構の比較

バックカーブアジャスト機構は人それぞれ違う背中のカーブにフィットする仕組みとして、他のオフィスチェアには見られない特徴となっています。

特に小柄な方や細身の人にとって上半身のふらつきを安定させ、ぴったりとした包み込まれ感を向上させる効果があります。

ヘッドレスト高さ

シルフィーのヘッドレストは背もたれフレームのすぐ上に付くため、比較的小柄な方に合わせやすい位置です。

シルフィーのヘッドレスト位置

身長173cmの私が座った場合が上の写真のとおりです。私には少し低いですね。もしこの状態でヘッドレストが低く感じられる場合は、高さと角度を調節できる可動ヘッドレスを選ぶと良いでしょう。

固定しない前傾姿勢が使いやすい

シルフィーの背もたれは腰回りにフィットする形状のため、前傾姿勢でも角度ロック無しで体を軽くサポートしてくれます。

私が使用する場合ですが、前傾姿勢での背もたれの役目は、体を預けるというよりも姿勢をガイドするものです。具体的に言うと、肩甲骨のあたりがしっかり背もたれに当たっているかどうかで、猫背になっていないかを確認できるセンサーの代わりにしています。

シルフィーの正しい前傾姿勢と崩れた前傾姿勢の比較
正しい前傾姿勢と崩れた前傾姿勢の比較

そのため、前傾姿勢の背もたれはしっかり固定されていなくても十分意味があります。既定の前傾角度(10°)では角度が強すぎる人も、固定せずに使えばちょうどいい位置を自分で決められます。

ロックしなければ、前傾姿勢から後傾姿勢、ストレッチまでシームレスに対応できるため、かなり幅広い使い方ができます。

例えば、PCで調べものをしてノートに書き留めるといった反復作業や、その状態からの上半身のストレッチなどを一切の調節動作なく行えます。

下の動画で一連の動作をやってみました。

前傾姿勢から後傾姿勢、ストレッチの様子

ちなみに同じ前傾姿勢対応のエルゴヒューマン プロ2 オットマンは、前傾位置での背もたれにはフィット感が希薄です。同時に前傾位置でのリクライニングの反発力が弱く、ロックしない状態では背もたれが軽い力でふらつきます。このためシルフィーのようにロックなしの状態では使いづらいです。

前傾チルトで有名なアーロンチェアと比較しても、シルフィーのロック無しでのフィット感は素晴らしいと感じました。

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重量が軽い

シルフィーは重量が軽いため、取り回しと離着席がしやすいメリットがあります。

取り回しやすい
シルフィーの取り回し

これまでレビューしてきたオフィスチェアの中でも最軽量(レビュー機は16.4kg)で、とても扱いやすいです。大きさもアームレストがあってもとてもコンパクトにまとまっていて、他の家具との干渉もあまり心配ありません。

参考までにシルフィーと他のレビュー機の重量を載せておきます。

オフィスチェア重量仕様補足
シルフィー16.4kg
(計測値)
メッシュ背もたれ、樹脂脚、可動アームレスト有り、
ヘッドレスト無し、ランバーサポート無し
アーロンチェア
リマスタード
18.35kg
(計測値)
樹脂脚、ヘッドレスト無し、アームレスト有り
コンテッサ
セコンダ
21.9kg
(カタログ値)
クッション座面、ヘッドレスト無し、アームレスト有り、ランバーサポート無し
エルゴヒューマン
プロ2 オットマン
24.9kg
(カタログ値)
ヘッドレスト、アームレスト、オットマン有り

離着席しやすい

20kg以上あるオフィスチェアは離席の際、ひざ裏に若干抵抗を感じます。着席の際は微妙な位置調節に結構重さを感じてしまいます。

ですが、シルフィーでの離着席は軽快で、着席時の位置調節も全くストレスを感じません。30kg以上ある初代エルゴヒューマン プロ オットマンなどと比べると、大げさですが羽のように軽く感じました。

重量による扱いやすさの比較(シルフィーと初代エルゴヒューマン)

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シルフィーの気になる点

操作レバーが遠い

座面右下の「座上下調節レバー」と「リクライニング強弱調節ダイヤル」への距離が少し遠く、特にアームレストが付いていると座った状態での操作がやりにくいです。

「リクライニング強弱調節ダイヤル」はアームレストが障害になるため、上半身を少し右に傾ける必要があります。

「座上下調節レバー」はやや硬めで、座面側面からは操作が難しいため、座面前縁からの操作になります。それでも距離が遠く不自然な力のかけ方になるため、扱いにくさを感じます。

あと少し座面に近い位置にレバーが来て、座面に手のひらをかけた状態の握力で調節できればと感じました。

少し遠いリクライニング強弱調節ダイヤルと座上下調節レバー
少し遠いリクライニング強弱調節ダイヤルと座上下調節レバー

座面左下の「リクライニング固定/解除ダイヤル」は調節方法が分かり辛く、慣れるまで少し時間がかかります。具体的な操作方法はこちら

また距離が遠いため、アームレストが有るとかなり体を斜めにした状態で操作することになるため、扱いづらさを感じます。

アームレストが邪魔になるリクライニング固定/解除ダイヤル
アームレストが邪魔になるリクライニング固定/解除ダイヤル

座面左の「座奥行調節レバー」はレバーが少し硬く、引き代も短いため、ロックされているのか解除されているのかがわかりにくいです。調節自体も椅子の軽さのせいで少し調節しづらく、慣れが必要です。ただ、要領をつかんでしまえば問題なく操作できます。

ダイヤルがもう少し後ろの方にあれば、アームレストが有っても問題なかったと感じました。

背もたれフレームが少し狭い

シルフィーの背もたれは左右幅が割と狭めの椅子になります。カタログ上460mmとなっていますが、実測したものは440mmでした。腰部ではフレーム自体の幅が広いため、メッシュタイプではフレーム当たりしない幅が320mmしかありませんでした。

シルフィーの背もたれのサイズ感
シルフィーの背もたれのサイズ感

この狭さのおかげで、メッシュ背もたれでは特に包み込まれ感があるわけですが、体格の良い方は、少し窮屈さを感じてしまうかもしれません。この場合はクッション背もたれという選択があります。

シルフィーの背もたれフレーム形状は上部の逃げがやや少ないせいか、私の場合はストレッチの際に背中(背骨と肩甲骨)に干渉します。メッシュタイプはこれが顕著なため、頻繁にストレッチする方は注意が必要です。

シルフィーでのストレッチ
シルフィーでのストレッチ

可動アームレストの使いどころが難しい

リラックスに使いづらい

アームレストが座面角度追従タイプ(詳しくはこちら)であり、リクライニング最大角度では背もたれからアームレストまでの距離がありすぎてアームパッドも小さいため、腕の半分を乗せるのがやっとです。

座面角度追従タイプのアームレスト
座面角度追従タイプのアームレスト
タイピングや読書には不向き

シルフィーのアームレストの左右幅はアームパッド平行状態の内側計測で約460mmです。人の肩幅は身長の大体1/4といわれており、これは身長188cmの人の肩幅に相当します。

しかもアームレストの左右幅を調節する機能は付いていませんし、アームパッドは最内20°までしか回転しません。

シルフィーのアームレストの左右幅
シルフィーのアームレストの左右幅

前傾か直立状態でなら身長173cmの私の肩幅でも何とか使えますが、背もたれを倒すとアームレストがかなり上半身から離れてしまいます。これではアームレストを快適に使用することは難しいです。

背もたれを1段階倒したタイピングと読書
背もたれを1段階倒したタイピングと読書

レビューした感想としては、シルフィーの可動アームレストはタイピングや読書の補助には向いていないと感じました。ただ、スマホ操作やちょっとしたリラックスには調節して便利に使えると思います。

オカムラ シルフィーに向いている人・向いていない人

シルフィーに向いている人

小柄な体格の人

基本的には広い範囲の体格の人が座れますが、どちらかというと少し小柄な方がシルフィーに向いていると思います。座面の高さ、背もたれフレームの狭さ、バックカーブアジャスト機構はどれも小柄な人を意識した作りになっていると感じました。

シルフィーの大きさ

背もたれに包まれ感を求める人

背もたれフレームが狭めのため、包まれ感を感じやすい作りになっています。特にメッシュ背もたれだと、より包まれ感があります。

シルフィーの背もたれのたわみ

小柄な方はバックカーブアジャスト機構を使うとよりフィットしやすくなります。上半身をしっかり支えてほしい人には刺さる機能です。
バックカーブアジャスト前後の比較写真はこちら

座面と背もたれが前傾姿勢対応のオフィスチェアを探している人

直立状態と前傾状態での筆記作業の様子

シルフィーは背もたれと座面ともに前傾姿勢に対応した数少ないオフィスチェアの1つです。通常のPC(ノートPC含む)作業ではあまり使う機会はないですが、顔を下に向ける筆記作業やペンタブ作業などには正しい姿勢を補助する機能として重宝します。このような作業の多い方にはとても向いている機能です。

またシルフィーの前傾姿勢はロックしない状態でも使いやすいため、筆記作業と同時に顔を前に向けたPC作業を同時にこなす人にも使いやすいオフィスチェアになっています。

前傾姿勢の詳しい説明はこちら

取り回しが楽な椅子が欲しい人

基本構成が樹脂フレームを多く使っているため軽量にできています。背もたれフレームもつかみやすい形状のため取り回しが楽です。椅子自体の大きさも標準的なため、特に気にすることなく移動できます。

重量に寄る動かしやすさの比較(シルフィーと初代エルゴヒューマン)

シルフィーに向いていない人

大柄な体格の人

シルフィーの背もたれの大きさ

背もたれが少し狭めで高さも若干小さめのため、背の高い人や大柄な人は特にメッシュ背もたれの場合、小ささを感じることになるかもしれません。

クッション背もたれを選択すればフレームの直当たりが緩和されるため、背中の蒸れが気にならない場合はこちらをおすすめします。

背もたれを倒した状態で脱力して休みたい人

シルフィーで脱力した様子

シルフィーは体にフィットするオフィスチェアのため、特にメッシュ背もたれの場合、座った際の背もたれの左右幅にあまり余裕がありません。

10分未満の短時間のリラックスは問題ありませんが、20分、30分といった長時間の休憩には少し窮屈さを感じました。左右幅に余裕があるほうが長時間のリラックスには向いているようです。

タイピングや読書の際にアームレストの補助が欲しい人

気になる点でも書いた通り、シルフィーのアームレストの左右幅は広く、それをフォローできる機能もありません。ロッキング状態で、直立と1段倒した状態の間くらいなら何とか使えるかも、というサイズ感です。

下の写真からも分かる通り、背もたれを1段倒した固定状態では、肩幅が広い人でないとタイピングや読書の補助にアームレストを使うことは難しいです。

シルフィーのアームレストを使ったタイピング

クッション座面だと蒸れが気になる人

シルフィーにはメッシュ座面がありません。シルフィーに限ったことではありませんが、クッション座面は通気性においてメッシュ座面には勝てません。その代わりに、座り心地で圧勝するのがクッション座面です。

座面の座り心地よりも蒸れが気になる人は、別のメッシュ座面のオフィスチェアを検討することをおすすめします。

オカムラ シルフィーの検討方法

ここでは、シルフィーの後悔ポイントと、購入店の決め方、中古商品の検討についてをお話しします。

シルフィーを買って後悔するポイント

シルフィーは比較的多くの人に受け入れられやすいオフィスチェアですが、もし買って後悔するとしたらという目線で見た時に挙げられる後悔ポイントを6つご紹介します。

どれも知っていれば避けられるものですので、買う前に確認しておきましょう。

(1/6)異硬度クッションとの相性で後悔

異硬度クッションはシルフィーの、というか、オカムラのクッション座面のセールスポイントです。私はクッション座面のなかでも最高クラスの座り心地と感じていますが、この感覚は個人の好みに大きく左右されるものです。

シルフィーの座面の柔らかさ
シルフィーの座面を手で押した状態

密着する感触が逆に苦手という方や、硬めの座面が好みの方には向かないこともあります。ご自身の感覚に合わないようなら、シルフィーを買って後悔するポイントになってしまうので、しっかり感触を確認しましょう。

(2/6)背もたれのサイズ感とクッション/メッシュの選択で後悔

・背もたれフレームの干渉

背もたれフレーム上部の干渉
背もたれフレーム上部の干渉

シルフィーの背もたれはハイバックを選んでもやや小さめです。特にメッシュ背もたれは体がフレームと干渉する可能性があります。

具体的には背もたれ上部と腰付近の部分に気を付けて確認しましょう。その際、バックカーブアジャスト機構の調節も忘れずに。

背もたれフレーム腰付近の干渉
背もたれフレーム腰付近の干渉

もし少しでも干渉する場合は、繰り返されることでストレスとして感じ始めることもあります。フレームとの干渉は典型的な後悔ポイントですので注意が必要です。干渉があるようなら、クッション背もたれを試すなど慎重に検討しましょう。

クッション背もたれでも解消しないようなら、思い切って別のオフィスチェアを検討するのも賢い選択です。

・包み込まれ感が窮屈に
シルフィーのメッシュ背もたれは包み込まれ感強めで、体にぴったりフィットするタイプです。背もたれを深く倒してリラックスする場合、あまりにフィットしていると逆にリラックスしにくいと感じることがあります。

リクライニングを倒したまま5分程度耐えられるかどうかで大体の判断ができるので、リラックスに使いたい方は試してみてください。5分間で少しでも身じろぎしたくなるようなら、少し慎重になったほうがいいかもしれません。

メッシュ背もたれの包み込まれ感
メッシュ背もたれの包み込まれ感

これは背もたれの幅方向のカーブとメッシュのたわみが影響しています。同じような背もたれ幅のジェスチャーはシルフィーほどの窮屈さを感じませんでした。もし気になる場合は、クッション背もたれに変えると多少印象が変わります。

背もたれカーブの比較(シルフィーとジェスチャー)
背もたれカーブの比較(シルフィーとジェスチャー)
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(3/6)操作性で後悔

座面高さ、座面奥行き、リクライニング、前傾姿勢など頻繁に調節する人は、操作性の悪さにストレスを感じる可能性があります。特にリクライニング操作ノブへのアクセスが遠いこと、座面昇降レバーがやや硬く操作しづらいことが気になります。

シルフィーの操作性

但しアームレスト無しのシルフィーでは、操作レバーへのアクセスがかなり改善します。思い切ってアームレスト無しを選択することで、使いやすさを向上させるのも手です。

(4/6)アームレストの左右幅が合わなくて後悔

タイピングや読書の補助としてアームレスト付きを選ぶ場合は、必ず試座してタイピング姿勢を試してください。特に左右幅が広すぎないか要確認です。

アームパッドの高さや角度を駆使しても合わないようなら、別のオフィスチェアを検討することも必要です。

シルフィーの後傾姿勢におけるアームレストの使い勝手

背もたれを倒した後傾姿勢での作業を考えている人も、その姿勢で腕をアームレストに乗せられるか必ず試してみてください。私の体格(身長173cm)では、後傾姿勢でアームレストを使ったタイピングはどうしても猫背になってしまい、快適に使用することができませんでした。

(5/6)ヘッドレストの肩との干渉で後悔

ヘッドレスト付きを検討している場合は、必ず試座して肩がヘッドレストに干渉しないか確認してください。私の体格では肩がしっかり固定ヘッドレストに干渉してしまいました。(レビュー機ではなく店頭展示のシルフィーで確認しました。イメージはこちら。)

作業に支障があるほどではありませんでしたが、長時間や頻繁な使用ではストレスの原因になりかねないため、必ずヘッドレスト付きのシルフィーで確認しておきましょう。可動ヘッドレストを選択すれば高さを調節できるため、肩への干渉を緩和できる可能性があります。

(6/6)ランバーサポートの硬さで後悔

シルフィーのランバーサポートは、かなり硬さを感じるものになっています。2020年にランバーサポートの材質が変更になり柔らかくなってはいるのですが、それでも私は硬いと感じました。これも店頭展示品での感想です。

もし硬めのランバーサポートが好みの場合は、まさに望んでいたサポート感になるかもしれません。

個人的にはシルフィーのオプションの中で、実物を試さずに購入するには最も難しいオプションだと感じました。

後悔しない試座のポイント

上記の内容はそのまま試座の際の見るべきポイントになります。後で後悔しないようしっかり確認しましょう。

  1. 異硬度クッションの座り心地で、痛みや局所的な圧迫、そのほか感覚的なアンマッチが無いか
  2. 背もたれフレームが体に干渉しないか、リラックスに使いたいならその姿勢で5分程度違和感なくいられるか
  3. 特によく変更する操作(リクライニング、座面昇降など)で姿勢が辛くないか、アームレストの有無の差を含めて確認
  4. 可動アームレストを選択する場合は、目的の姿勢を本当に補助できるか、特に左右幅に注意
  5. ヘッドレスト付きを選択する場合は、肩がヘッドレストに干渉しないか、干渉する場合はそれが気になるレベルか確認
  6. ランバーサポートの硬さに問題ないか必ず試座して確認

以上が問題なければ、購入後に後悔する可能性はかなり低くできるはずです。

【絶対後悔したくない!】デスクチェアの試座を失敗しない方法|7つのステップで解説この記事では絶対に失敗しない試座のやり方をどこよりも詳しく解説します。この記事を読むと試座のやり方はもちろん、事前の準備から当日の持ち物や服装まで細かくわかります。また試座で失敗しやすい点も事細かにフォローします。記事の最後には試座専用のチェックリストも用意しておきましたので、ぜひご活用ください。...

購入店の決め方

展示のある取扱店舗はオカムラ公式サイトを参考にしてください。試座後であれば、ネットショップも良い候補です。ちなみに公式サイトは他のショップに比べて少し割高になっているようです。

外部サイト:オカムラ公式サイト

中古品について

シルフィーの中古品ですが、個人的にはメーカー保証が使えないため、あまりおすすめしません。

ただ、シルフィーの中古市場は球数が豊富で、商品の状態にも左右されますが、概ね新品の半額以下(2025年9月現在)で購入可能です。かなり新品に近いものであれば、もう少し高くなります。

現物に座って確認でき、店舗が一定期間の保証を付けてくれるものであれば、中古商品もかなり魅力的です。新品にこだわりがなく、多少の目立たない傷とリスクを許容できるなら、検討の余地があります。

中古品の現物の確認ポイント

良い中古品を選ぶには新品の状態を把握している必要があります。可能なら1か月程度レンタルしてから選ぶのがベストですが、そうもいかないのが現実です。

中古品を検討する際は、せめて新品の試座に行って座り心地と使い心地を十分に把握してから、中古品を見に行きましょう。中古品の現物の確認ポイントは次の5つです。

  • 全ての機能が問題なく機能するか
  • 妙に硬い調節が無いか
  • 座面の昇降がスムーズに行えるか
  • 座った際に異音(ギシギシ音など)がしないか
  • 購入後すぐに業者に買い取ってもらうとして、値段が付くと思える状態か
ないと

シルフィーは座面裏に製造年が記載された製品コードラベルがあるため、必ず確認しましょう。

シルフィーの製品コードラベル

オカムラ シルフィーの各部詳細

ここではシルフィーのバリエーションと価格をはじめ、各部位の機能についてい詳細にお話しします。知りたい項目が決まっていれば、下記のリンクから飛ぶことができます。

価格とバリエーション
座面
背もたれ
リクライニング
アームレスト
ヘッドレスト
キャスター
ランバーサポート
ハンガー
ワークヴェール
重量
製品保証

シルフィーの価格とバリエーション

参照元

カラーバリエーション

カラーバリエーションは下記のオカムラ公式HPのカラーシミュレーションを参考にしています。正しくは本家サイトをご参照ください。

外部サイト:オカムラ公式HP カラーシミュレーション

各種価格(税抜き)

オフィス総合カタログ2025より抜粋しています。購入検討の際は必ず引用元をご確認ください。

引用元(外部サイト):オカムラ オカムラ オフィス総合カタログ2025


ちなみにネットショップでの一般販売価格は、カタログ価格から約25%offになっているようです。またオカムラ公式で買うと若干割高(15%off)になるようです。

価格が変化しないバリエーション

張地とボディーカラーはどれを選んでも価格は変わりません。ただしアルミポリッシュ脚は素材自体が樹脂からアルミに変わるため、追加料金がかかります。

背もたれの素材はクッションとメッシュ、どちらを選んでも価格は変わりません。クッションは張地を選択できますが、価格に変わりはありません。

ボディーカラー

背もたれと座面フレーム全般、アームレスト(アームパッド含む)、樹脂脚、可動ヘッドレストの樹脂部、ハンガーの色を一括で下記の2色から選択できます。

ブラック/ホワイト

座面下の基盤部はブラックのみです。
ホワイトを選択した場合、アームパッドはグレーになります。
樹脂脚にアルミポリッシュを選択した場合、脚部は磨き上げられた金属色になります。

シルフィーのボディーカラー対象部位
ボディーカラー対象部位

張地

背もたれと座面の色を素材に応じて一括で選択できます。ヘッドレストを選択している場合はヘッドレストの張地も同じ色になります。

クッション背もたれ
クッション背もたれを選択すると、生地の種類を「プレーン」と「インターロック」から選択できます。選択した生地は座面にも適用されます。

プレーンは小さな六角形の網目模様の入った生地でレビュー機と同じものになります。肌触りの良い柔らかい生地です。インターロックはプレーンよりもかなり細かい織り目になっています。

プレーン(11色)
ベージュ、ライトグレー、ミディアムグレー、ブラック、パープル、ミディアムブルー、ブルーグリーン、ダークグリーン、ライムグリーン、オレンジ、レッド

参考までに座面のプレーン:ミディアムブルーの写真を載せておきます。

シルフィーの座面(プレーン:ミディアムブルー)
シルフィーの座面(プレーン:ミディアムブルー)

インターロック(10色)
ベージュ、ダークブラウン、グレー、ダークグレー、インディゴ、セージ、ダークグリーン、イエロー、テラコッタ、ペールピンク

メッシュ背もたれ
メッシュ背もたれを選択すると、座面のクッション生地は自動的に「プレーン」になります(インターロックは選択できません)。色はクッションのプレーンと同じ11色から選択できます。

参考までにミディアムブルーのメッシュ拡大写真を載せておきます。中央の白く見える部分は反射で光っている状態です。

シルフィーのメッシュ背もたれ(ミディアムブルー)
シルフィーのメッシュ背もたれ(ミディアムブルー)

バリエーション

シルフィーは要望に応じて様々なバリエーションを選択することができます。

ないと

オカムラのオフィスチェアは毎年価格が上昇する傾向にあります。最新の情報は公式サイトでご確認ください。

選択項目
本体(ローバック)
本体(ハイバック)
ヘッドレストなし
固定ヘッドレスト
可動ヘッドレスト
アームレストなし
固定アームレスト
可動アームレスト
ランバーサポートなし
ランバーサポートあり
ワークヴェールなし
ワームヴェールあり
樹脂脚
アルミポリッシュ脚
ナイロンキャスター
ウレタンキャスター
ゴムキャスター

本体

背もたれの高さ(ローバック・ハイバック)により本体価格が変わります。
ヘッドレスト、アームレスト、ランバーサポート、ハンガー、ワークヴェールのすべてが無く、樹脂脚とナイロンキャスターを標準装備した状態です。

ローバック
・床面から背もたれ上部までの高さが、884~984mm
・背もたれの最上部のフレームが、身長173cmの私の肩甲骨下辺りの高さ
・ローバックにヘッドレストを付けることはできません。ヘッドレストが必要な場合は、ハイバックを選んでください。

ハイバック
・床面から背もたれ上部までの高さが、954~1054mm
・背もたれの最上部のフレームが、身長173cmの私の肩甲骨が半分程度サポートされる高さ

シルフィーのハイバックとローバックの高さ比較
シルフィーのハイバックとローバックの高さ比較

オプション

シルフィーで選択可能なオプションは下記のとおりです。

ヘッドレスト
ヘッドレストなしか、固定ヘッドレスト、可動ヘッドレストを選択できます。
・固定ヘッドレスト:一切の調節機能なし
・可動ヘッドレスト:高さと角度調節あり

アームレスト
アームレストなしか、固定アームレスト、可動アームレストを選択できます。
・固定アームレスト(デザインアーム):一切の調節機能なし
・可動アームレスト(アジャストアーム):高さ、角度、前後調節可能

参考までに可動アームレストの拡大写真を載せておきます。

シルフィーの可動アームレスト
シルフィーの可動アームレスト

ランバーサポート
メッシュ背もたれにのみ追加可能。樹脂(ナイロン)でできた板形状のオプションです。選択する場合は、必ずランバーサポートのついたものを試座してから決めましょう。

ハンガー
上着などを背面にかけるためのハンガー。上下調節機能あり。

ワークヴェール
まわりの視線を遮るシールド。ヘッドレスト付きのため、他のヘッドレストと同時選択はできません。


・樹脂脚:標準装備
・アルミポリッシュ脚:素材自体がアルミになり、色は磨き上げられた金属色になります。

シルフィーの樹脂脚
シルフィーの樹脂脚

キャスター
・ナイロンキャスター:標準装備でカーペットに最適
・ウレタンキャスター:フローリングに最適
・ゴムキャスター:硬い床面に最適

シルフィーの座面

シルフィーの座面はクッション座面のみで、座面の高さと奥行きの調節ができます。前傾機能付き 背座シンクロリクライニングを採用しているため、背もたれを倒すと連動して座面角度も少し変わります。詳細な角度はこちらをご覧ください。

異硬度クッションの座面

異硬度クッションは以前レビューしたコンテッサ セコンダと同じもので、3種類の柔らかさの異なるウレタンを機能に応じて配置したクッションになります。

座面前縁はひざ裏を圧迫しないよう柔らかく、太ももからお尻にかけて中程度、座面後縁には体重をしっかり支える硬めのウレタンが使われています。

それぞれのウレタンの境目は手で触っても分からないくらいきれいに成型されてるようで、違和感は全くありません。

異硬度クッションの大まかな構成
異硬度クッションの大まかな構成

クッションには十分なボリュームがありますが、柔らかすぎて沈み込みすぎることもなく心地良い柔らかさです。

ただ、夏場の熱のこもりは一般的なクッションと変わりなく、しっかり空調が効いた部屋でなければ暑さを感じます。お尻の蒸れが気になる人には、メッシュ座面のないシルフィーは向いていないかもしれません。

座面高さ調節

シルフィーの座面高さ調節
シルフィーの座面高さ調節

調節幅:100mm

調節範囲:420~520mm(計測値 410~510mm)

座面高さの調節方法

座面右下の「座上下調節レバー」を引き上げて調節します。調節の際は座面の右側ではなく、前縁側から調節すると少しやりやすくなります。

シルフィーの座面高さ調節

座面奥行き調節

シルフィーの座面奥行き調節
シルフィーの座面奥行き調節

調節幅:50mm(6段階)

調節範囲(座面前縁から背もたれまでの距離):410~460mm

座面奥行きの調節方法

座面左下の「座奥行調節レバー」を引き上げるとロックが解除されます。座面を前後に調節して丁度良い所でレバーを戻すと、6段階ある固定位置の一番近いところでロックします。

座面裏のロックの仕組み
座面裏のロックの仕組み

座ったままの奥行き調節はスライドがスムーズに動かずやりにくいため、少し腰を浮かせるか、いったん席を立って調節すると良いです。やり方はこちら

シルフィーの背もたれ

高さによる選択

シルフィーは背もたれの高さをハイバックとローバックから選ぶことができます。ハイバックのほうが背が高く、背中を大きくサポートしてくれます。

ローバックは座る人の身長にもよりますが、身長173cmの私なら背中の6割くらいをサポートしてくれるイメージです(イメージはこちら)。

背もたれにしっかり背中を預けた後傾姿勢をとりたい人にはハイバック、離着席が頻繁な人や背もたれにもたれて休憩しない人にはローバックがおすすめです。

背もたれ素材の選択

メッシュ背もたれ
シルフィーのメッシュ背もたれの透け感

メッシュの背もたれは通気性が良く、夏は風が通って涼しいです。逆に冬場は少し寒さを感じるかもしれませんが、上着で調節可能なため座面がメッシュである椅子ほど深刻な問題にはなりません。

ただ腰付近の樹脂フレームが体から近い位置にあるため、大柄な人はフレームが干渉しないか確認が必要です。

メッシュの場合フレームに干渉すると、硬いフレームが直接体に当たるため結構違和感があります。特に腰のあたりは少しやせ型の私でもピッタリで、バックカーブアジャストを最も深くするとフレームが腰にしっかり干渉してしまいます。

メッシュ座面を選択すると、オプションとしてランバーサポートが選択可能になります。

クッション背もたれ

クッションのもたれ心地はメッシュに比べて安堵感が大きいです。フレームに直接体が当たることもないため、背もたれを倒したストレッチがメッシュタイプよりも気持ちよくできます。

大柄な方でメッシュだとフレームが直当たりする場合は、クッションを試してみると良くなるかもしれません。

一方で、夏場はメッシュに比べると暑さを感じます。逆に冬場はメッシュよりもはるかに暖かいため、暑さよりも寒さが苦手な方にはクッション背もたれがおすすめです。

クッション背もたれを選択すると、ランバーサポートの追加ができませんのでご注意ください。

バックカーブアジャスト機構

シルフィーのバックカーブアジャスト機構
シルフィーのバックカーブアジャスト機構

この機能は座る人の体の大きさに合わせて、背もたれのフレームのたわみ具合をコントロールすることができます。これによりたわみを少なくすると大柄な人向け、たわみを大きくすると小柄な人向けの背もたれカーブになるという仕組みです。

バックカーブアジャストの広/狭によるたわみの比較

メッシュ背もたれでもクッション背もたれでも機能します。腰の左右の動きをしっかり固定したい時や、筆記作業などの顔を下に向ける作業時に使うと、腰がしっかりサポートされます。

ただし、機能としては広いか狭いかの2択になります。一応その間で止められなくはないのですが、体重がかかると動いてしまったりと、思ったような中間的な調節は難しいと感じました。

バックカーブアジャスト機構の調節方法

背もたれ後ろの腰のあたりにある「バックカーブアジャストレバー」を上下に調節します。左右別々に動きますが、両方同じ調節に揃えましょう。

レバーが下の位置にあると背もたれのカーブが緩くなり大柄の人に合うようになります。レバーを上にあげると背もたれのカーブがきつくなり小柄な人に合うようになります。

シルフィーのバックカーブアジャスト機構の実際の調節

シルフィーのリクライニング

機能

背もたれを直立状態から後傾に最大23°、前傾に10°傾けることができます。角度固定は4か所(前傾10°、直立0°、後傾8°、後傾16°)ですが、最大後傾角度23°で固定することはできません。

シルフィーのリクライニング角度
シルフィーのリクライニング角度

シンクリクライニングを採用しているため、背もたれの角度に連動して座面も少し傾きます。詳細な角度は下の表をご覧ください。背もたれ角度は背もたれ上部の中央、座面角度は座面中央で計測しています。

リクライニング
(取扱説明書より)
水平からの背もたれ角度
(計測値)
水平からの座面角度
(計測値)
前傾10°95°-1°
直立0°105°3.5°
後傾8°113°6.5°
後傾16°121°9.5°
後傾23°128°12.5°

リクライニング調節方法

リクライニングは座面左下にある「リクライニング固定/解除ダイヤル」を使用します。ダイヤルの位置は3つあり、

A:前傾解放
B:後傾リクライニング解除(前傾時は前傾ロック)
C:後傾リクライニングロック

です。

リクライニング固定/解除ダイヤルの位置調節
リクライニング固定/解除ダイヤルの位置調節

操作方法は次のとおりです。

背もたれを自由に後ろに倒したい場合(ロッキング状態)

ダイヤルを「B」にセットします。

背もたれに体重をかけると後ろに最大23°傾きます。

後に倒した背もたれの角度を固定したい場合

ダイヤルを「B」にセットした状態で、背もたれに体重をかけて倒し、好きな位置で「C」にセットします。

背もたれから体重を抜くか、寄り掛かるとそこから近い固定位置でロックされます。

ロックを解除するときは「B」にセットしたのち、いったん背もたれに体重をかけるとロックが解除されます。

前傾にしたい場合

ダイヤルを「A」にセットし、背もたれにいったん体重をかけてから、体重抜くと前傾の角度まで背もたれが移動します。

この状態では背もたれは前傾から後傾23°まで自由に動きます。

前傾の角度を固定したい場合

前傾にした状態から完全に背もたれから力を抜いた状態で「B」にセットすると、前傾が固定されます。

前傾を解除したい場合

ダイヤルを「A」にセットして背もたれに体重をかけ、直立状態よりも後ろに倒した状態で「B」にセットします。

背もたれから体重を抜くと、直立状態になります。

もし、また前傾に戻ってしまう場合は、最初の背もたれに体重をかけた時の角度が十分でない可能性があります。しっかり背もたれを倒した状態で「B」にセットしましょう。

シルフィーの前傾、前傾固定、前傾解除のやり方

注意点

前傾解放と前傾ロック時は「C」に調節することができません。「A」の位置で背もたれを直立以降に戻した状態にすると「C」に調節できます。

前傾以外のロック状態のとき「A」に調節することはできません。「B」に変更してロックを解除すれば「A」に調節することができます。

リクライニング反発力(強弱)調節

シルフィーのリクライニング強弱調節ダイヤル
シルフィーのリクライニング強弱調節ダイヤル

座面右下の「リクライニング強弱調節ダイヤル」を回すことで無段階調節できます。調節範囲は最大2回転と1/4です。比較的少ない回転数で調節できるため便利です。

調節する際は、背もたれを直立にした状態で行いましょう。背もたれを直立位置よりも倒した状態で調節すると非常に硬く、最悪椅子にダメージを与えかねませんのでご注意ください。

前傾姿勢について

シルフィーの前傾姿勢

前傾姿勢は顔を下に向けて作業する際、腰が曲がって猫背になりがちな人の姿勢を座面と背もたれの前傾によって正しい姿勢にガイドするものです。

効果を発揮するためには座面の奥までしっかり座る必要があります。座りが浅いと結局坐骨の角度が寝てしまい前傾姿勢の意味がなくなるので要注意です。

シルフィーの前傾姿勢における座りの深浅
シルフィーの前傾姿勢における座りの深浅
座面の前傾によって期待される姿勢

座面の前傾により骨盤の角度を立たせやすくなり、骨盤上部の腰椎のカーブを立っている状態に近づけやすくなります。

背もたれ前傾によって期待される姿勢

理想的な筆記姿勢において通常のオフィスチェアの背もたれ角度では、肩甲骨付近は背もたれから少し離れます。背もたれが前傾すると、正しい筆記姿勢でも上半身を背もたれに預けることができます。

上半身を背もたれに預けても楽にはなりませんが、背もたれから体が離れないように意識することで、正しい姿勢維持を意識することができます。

シルフィーの前傾姿勢の効果
前傾姿勢の特徴

前傾姿勢は姿勢を維持しやすくする機能であって、脱力してもこの姿勢を維持してくれるものではありません。座面の前傾により腹部と太もも裏の圧迫を緩和してくれますが、上半身には常に少し力が入った状態になります。

あまり長時間保てる姿勢でもないため、適度に休憩を入れながら使いましょう。

前傾姿勢のまま顔を前に向ける作業を行うと、かえって腰や首が疲れる可能性もありますので、作業にあった姿勢を選択する必要があります。個人的には良い点でお話ししたロックしない前傾姿勢が、とても使いやすかったです。

シルフィーのアームレスト

シルフィーはアームレスト無しの状態と、固定アームレストや可動アームレスを付ける選択をすることができます。アームレスト有りを選択した場合、アームレストは座面に固定される座面角度追従タイプになります。

したがってシルフィーのアームレストは背もたれの傾きほど倒れないため、最大リクライニング時にはアームレストが上半身からかなり離れることになります。写真はこちら

可動アームレストのアームパッドは割と小型(縦225mm、横95mm)のため、余裕をもって腕を乗せたい人は要確認です。

シルフィーのアームレストのサイズ
シルフィーのアームレストのサイズ

アームレスト無し(肘なし)

アームレストが必要のない人はこれを選択できます。価格と重量が抑えられ、取り回しも楽で、気軽に離着席できる点が魅力です。

固定アームレスト(デザインアーム)

離着席の際に補助としてアームレストが欲しい場合に便利です。形状は流線型でシンプルな飽きの来ないデザインになっています。

可動アームレスト(アジャストアーム)

シルフィーの可動アームレストは3Dアームレストとなっており、上下、前後、角度の調節ができます。各調節範囲は以下のとおりです。

アームレストの上下調節

調節幅:100mm(11段階)

シルフィーのアームレスト上下調節
シルフィーのアームレスト上下調節

アームパッド下のレバーを押している間、ロックが解除されます。これまでレビューしたオフィスチェアのなかでも座面からの高さがかなり高い位置まで調節できるアームレストで、調節音は静かです。

アームパッドの前後調節

調節幅:50mm(6段階)

シルフィーのアームレスト前後調節
シルフィーのアームレスト前後調節

少し力を入れて動かせば調節できます。使用中に動いたりはしませんが、操作感は実用性重視といった感触です。調節音は人によっては若干うるさく感じるかもしれません。

アームパッドの角度調節

調節範囲:外側20°、外側10°、0°、内側10°、内側20°の5段階

シルフィーのアームレスト角度調節
シルフィーのアームレスト角度調節

アームパット先端部をつかんで少し力を入れれば調節できます。操作感は悪くありません。調節音は静かではありませんが、うるさくもありません。

アームレストのガタツキ

アームパッドの回転調節のガタツキは少しありますが、前後調節は問題ありません。アームレストを最も高い位置にすると前後方向にも少しだけアームのガタツキが出ます。

全体としてガタツキは少しあるというレベルです。高級感があるわけではありませんが、安心感のある作りです。

シルフィーのアームレストのガタツキ

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シルフィーのヘッドレスト

シルフィーはヘッドレスト無しか、もしくはクッションタイプのヘッドレストで、固定式と、可動式を選択することができます。

固定式のヘッドレストは少し背の高い人には肩が当たってしまうかもしれません。可動式のアームレストは高さを変更できるため、身長高めの方におすすめです。

シルフィーのヘッドレストは、基本的にはリラックスの際に使うもので、作業の補助に使うには個々の体格にもよりますが、小さなクッションなどを用意する必要があると思います。

シルフィーのキャスター

シルフィーのキャスター径
シルフィーのキャスター径

ナイロンキャスターが標準装備されていますが、使用環境によりウレタンキャスターか、ゴムキャスターを選択することができます。

キャスター径は椅子の軽めの重量に合わせてやや小さめの60mm(ゴムキャスターは50mm)となっています。
詳細は次のとおりです。

タイプキャスター径用途
ナイロンキャスター60mmカーペット向き
ウレタンキャスター60mmフローリング向き
ゴムキャスター50mmPタイル(プラスチックタイル)等の硬い床向き

シルフィーのランバーサポート

背もたれがメッシュの時にのみ選択できるオプションですが、割と固めの素材(ナイロン)です。ランバーサポートと体の間にはメッシュしかなく、ダイレクトに硬さを感じます。

同じオカムラのコンテッサ セコンダのランバーサポートのような柔らかい素材とは全く異なります。

シルフィーのランバーサポートを検討する場合は、必ず試座で確かめてから選択することを強くおすすめします。

ランバーサポートの上下調節幅:60mm(7段階)

シルフィーのハンガー

オプションのハンガーとしては珍しい上下位置の調節できるハンガーです。上着のすそが床に付くことを予防できます。オカムラのオフィスチェアには上下調節できるものが多いようです。

オフィスチェアにハンガーを追加する場合、かなり高価なオプションになりがちです。職場で使うならともかく、自宅で使う場合は本当に必要なアイテムか、代替アイテムは無いのかよく検討してから選択しましょう。

ハンガーの調節幅上下調節幅:120mm

シルフィーのワークヴェール

シルフィーのオプションには他のオフィスチェアにはあまりないワークヴェールというものがあります(同じオカムラでは他にコーラルというオフィスチェアにオプションとして採用されています)。

これはヘッドレストを囲むようにパネルが付いていて周囲の視線をカットし、目の前に集中することができるオプションで、ヘッドレストと一体になっています。ヘッドレスト部分は固定されていて、可動せず、ハイバックのみに取り付け可能です。

けっこう大きく、自宅の部屋で使うには圧迫感のあるオプションであるため、自宅で使う人はあまりいないように思います。

しかし同じオカムラのストライカーというゲーミングチェアには、もう少しスマートですが同様の機能を採用していますので、実は自宅での需要もあるのかもしれません。

シルフィーの重量

レビュー機計測値:16.4kg

レビュー機の状態は下記のとおりです。
メッシュ背もたれ、可動アームレスト、脚フレームは樹脂、ナイロンキャスター。
ヘッドレスト&ランバーサポートなし。

上記の状態を加味しても高級オフィスチェアとしてはかなり軽い部類になります。レビューした中では最軽量(2025年9月現在)です。

シルフィーの製品保証

概要をご紹介します。正しくは必ず公式ホームページの取扱説明書をご確認ください。

引用元(外部サイト):取扱説明書

項目内容保証期間
外観・表面仕上げ塗装及び樹脂部品の変色・褪色、レザー・クロスの摩耗1年
機構部・可動部引出し・スライド機構、扉の開閉、錠前、昇降機構等の故障2年
構造体強度・構造体にかかわる破損8年

オカムラ シルフィーのまとめ

フィット感のある座り心地
シルフィーは、異硬度クッションとバックカーブアジャスト機構でフィット感を重視したオフィスチェアです。椅子自体が軽量でスマートに作られており、少し小柄な方や細身の方にフィットしやすい形状と感じました。

姿勢を選ばない対応力
筆記作業などで顔を下に向ける作業の多い方や、前傾から後傾までマルチに利用する方には、背座ともに前傾するシルフィーがとても相性が良いと思います。

フレームの干渉には注意
注意したいのは背の高い方や大柄な方で、フレームが体に干渉してしまう可能性があります。タイピングの補助としてアームレストを使いたい方も左右幅の確認は必須です。

特にオプションの確認は必須
アームレストからヘッドレストやランバーサポートなど多くのオプションがありますが、それぞれ欲しい形態の実物で試座を行わないと実感できない部分があるため注意が必要です。

職場で使用しているオフィスチェアの雰囲気をアップグレードした形で自宅に導入したい方には、特におすすめのオフィスチェアとなります。

最後に、もし私がシルフィーを導入するならという想定で、シルフィーのオプションを考えたいと思います。あなたの判断の参考になれば幸いです。

もし私がシルフィーを導入するなら

導入目的:
冬場限定の使い勝手の良いワークチェアとして導入

理由:
・PC作業&筆記用のオフィスチェアとして使い心地が良かったこと
・冬場のクッション座面の温かさは、メッシュ座面に圧勝するため

オプション:
ハイバック
 基本後傾姿勢で、作業時間が長いため

クッション背もたれ
 冬場の温かさの確保と、フレームと体の干渉を避けるため

樹脂脚
 傷の心配なく気楽に使いたいのと、重量軽減のため

ナイロンキャスター
 カーペットのため

ヘッドレスト無し
 作業にヘッドレストを使わないのと、気持ちよくストレッチしたいため

アームレスト無し
 タイピングに使いにくいのと、長い休憩には使わないと割り切るため

以上、最後まで読んでいただき、ありがとうございます。

あなたが魅力的なオフィスチェアに出会えることを願っています。

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